労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2014.08.25 【判決日:2013.06.21】
医療法人清恵会事件(大阪高判平25・6・21) 母介護でパート化希望、1年で雇止め無効の判断は 更新を前提とした契約内容
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 母の介護のためパートに転換後、1年での雇止めを無効とした事案の控訴審。大阪高裁は一審を踏襲し、会社側には人件費を抑える意図があり、双方の事情から1年の契約を締結したもので、契約書の文言等から更新への期待は合理的と判示。業務量の減少は僅かで、1年前に合意した賃金が高過ぎるとの主張も認められないとして、控訴を斥けた。 業務量の減少僅か 賃金……[続きを読む]

2014.08.18 【判決日:2013.09.25】
Y1社ほか事件(静岡地裁沼津支判平25・9・25) 事業承継が目的の「偽装解散」として解雇無効求める 経営不振で廃止やむを得ず
ジャンル:
  • 企業解散
  • 解雇

 会社分割から約8年後に承継会社が解散し全員解雇された事案で、組合員らが再度の承継が目的の偽装解散として存続会社等に地位確認を求めた。静岡地裁沼津支部は経営不振から事業廃止は不合理とはいえないとしたうえで、事前説明がないまま解雇に至ったが、再就職をあっせんするなど手続的配慮を著しく欠くとはいえないとした。 再就職支援を評価 手続的配慮欠く……[続きを読む]

2014.08.11 【判決日:2013.04.22】
阪神バス事件(神戸地裁尼崎地判平26・4・22) 障害理由に残業免除、会社分割後配慮なく継続要求 労働条件は黙示的にも承継
ジャンル:
  • 労働契約
  • 承継

 障害があるバス運転者が、会社分割に伴い障害に配慮した勤務シフトが打ち切られたのは不当として配慮の継続などを求めた。神戸地裁尼崎支部は、残業の免除などは労働条件として黙示的に合意され承継されると判示。不利益変更を伴う転籍に合意しても、承継に関する通知を怠るなど承継法の趣旨を潜脱しており公序良俗に反し無効とした。 変更合意でも無効 公序良俗……[続きを読む]

2014.08.04 【判決日:2014.01.24】
阪急トラベルサポート事件(最二小判平26・1・24) 海外添乗員にみなし制の適用なしとした高裁判断は 行程表に基づき時間算定可 ★
ジャンル:
  • 事業場外労働
  • 割増賃金
  • 労働時間
  • 賃金

 海外派遣添乗員の時間外労働時間の未払賃金請求に対して、事業場外のみなし制適用の有無を争った事案。一審はみなし制の適用を認めたが二審が否定したもので、最高裁は行程表で業務内容や手順を示し、変更する場合は個別指示するとしているほか、日報で遂行状況を確認可能なことから「労働時間を算定し難い」とはいえず、上告を斥けた。 変更時は個別指示 日報で……[続きを読む]

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