判決年月2019年6月の労働判例

2020.05.14 【判決日:2019.06.12】
学校法人追手門学院事件(大阪地判令元・6・12) 退職勧奨を拒否後の降格不当と差額賃金求める 低評価に人事権濫用認めず
ジャンル:
  • 昇給昇格・降格

 退職勧奨に応じなかったため、不当に降格されたとして事務職員が、減額された月6万円の支払いを求めた。賃金は職能給のみで構成され、規程では2年続けて下から2番目の評価の場合、降格を審議すると定めていた。大阪地裁は、業務は職務等級に見合う十分な基準に達しておらず、上司等から何ら注意を受けなかったとも認め難いことなどから、評価に人事権の濫用は認……[続きを読む]

2020.04.02 【判決日:2019.06.04】
企業組合ワーカーズ・コレクティブ轍事件(東京高判令元・6・4) 配送請け負う企業組合、ドライバーと雇用関係? 運営関与し「事業者性」あり
ジャンル:
  • 労働者
  • 労基法の基本原則

 食材等の配送を請け負う「企業組合」の組合員が、労基法上の労働者として残業代を求めて控訴した。東京高裁は、使用従属性の判断に加え、事業者性の有無を重視。全員参加の会議で、配達チームの編成や報酬などの経営事項を協議して多数決で決めるなど、運営への実質的関与を認め事業者性を肯定した。時間的拘束性が強いといえず、指揮監督下とみるのも困難とした。……[続きを読む]

2020.02.27 【判決日:2019.06.19】
食品会社A社事件(札幌地判令元・6・19) 採用した障害者自殺、仕事少なくうつ病悪化? 業務量の調整義務違反なし
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 安全配慮義務

 少ない業務量しか与えられず、うつ病を悪化させ自殺したとして、遺族が会社に損害賠償を求めた。札幌地裁は、業務量増加の要望を受けた上司は、安全配慮義務として心理的負荷の有無や程度を検討して対応すべき義務を負うが、会社は相談を放置せず対応していたと同義務違反を否定。上司が採用の理由を「障害者雇用率のため」と発言したことは配慮を欠くが、自殺との……[続きを読む]

2020.01.16 【判決日:2019.06.14】
宇和島労基署長事件(福岡地判令元・6・14) 営業マンの残業月70時間、心不全発症し労災は “過労死基準”下回るが認定
ジャンル:
  • 労災
  • 業務上・外認定

 魚の薬を販売する営業マンが、心不全で死亡し、遺族が労災不支給処分の取消しを求めた。残業は各月70時間など過労死の認定基準を下回っていた。福岡地裁は、長時間労働の継続に加え、死亡直前には多くの営業成績を上げている取引先の社長の要求に応えて、海に転落する危険性がある作業をするなど肉体的疲労かつ精神的緊張が大きかったことを考慮して請求を認めた……[続きを読む]

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