判決年月2020年8月の労働判例

2022.08.25 【判決日:2020.08.20】
国・中労委(アート警備)事件(東京高判令2・8・20) 団交開催に3つの条件、組合合意せず交渉拒否 録音禁じる正当な理由なし ★
ジャンル:
  • 労働組合

 団交の開催に当たり録音禁止などの3条件を求めた会社が、合意に至らず交渉を拒み続けたために不当労働行為とされ、救済命令取消しを求めた行政訴訟の控訴審。東京高裁も、団交拒否には正当な理由はないとした。交渉内容の正確な記録は労使双方に必要性があり、企業秘密は一時的な録音停止で対応可能等としている。一切の口外禁止を課すことも労働組合の利益を害す……[続きを読む]

2021.11.25 【判決日:2020.08.31】
製麺会社A事件(旭川地判令2・8・31) 製麺機で指を骨折、会社の安全配慮義務違反は 刃を覆う対策や教育怠った
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 労働安全衛生法
  • 安全配慮義務

 製麺機に手を巻き込まれて骨折した従業員が、安全配慮義務に違反したとして会社に損害賠償を求めた。旭川地裁は、作業は麺に縮れを付けるために製麺機に手を伸ばす必要があり、刃はむき出しで高い危険性を有するとした。刃に覆いはなく、危険性に関して注意喚起の表示や教育をしたとも認められないことから不法行為と判断。作業時に手元を注視しなかった従業員の過……[続きを読む]

2021.07.21 【判決日:2020.08.21】
センバ流通(仮処分)事件(仙台地決令2・8・21) コロナでタクシーの売上減、有期契約中に解雇 雇調金を使わず解雇は無効
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  • 解雇

 新型コロナウイルスの影響で売上げが減ったタクシー会社の運転者が、有期契約の期間途中で解雇されたため、地位保全等を求めた。仙台地裁は、雇用調整助成金等の利用が可能にもかかわらず利用せず、解雇を無効とした。整理解雇の4要素を当てはめ、人員削減の必要性は倒産が必至であるほど緊急かつ高度とは認められず、人員選択の合理性、団交における説明も不十分……[続きを読む]

2021.04.30 【判決日:2020.08.06】
福屋不動産販売事件(大阪地判令2・8・6) 同業他社へ従業員引き抜こうとした本部長クビ 単なる転職勧誘といえない
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 服務規律違反
  • 競業避止義務
  • 解雇

 従業員7人を同業他社に引き連れて転職しようとしたとして、懲戒解雇された本部長らが地位確認等を求めた。大阪地裁は、単なる転職の勧誘にとどまらず、社会的相当性を欠く態様で行われた引き抜き行為で、懲戒解雇を相当とした。給料の上乗せや300万円もの支度金を提示して転職の勧誘を繰り返していた。対象は優秀な営業マンらで経営に与える影響は大きいと推測……[続きを読む]

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