判決年月2014年4月の労働判例

2015.05.04 【判決日:2014.04.11】
国立大学法人茨城大学事件(水戸地判平26・4・11) 大学訴えた教授を学長が非難、名誉棄損に当たる? 社会的な評価を低下させた
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 ハラスメント被害の対応が不適切として大学を訴えた教授2人が学長に避難されたことなどから、さらに名誉棄損で訴えた。水戸地裁は、学長は全職員へのメールで恥ずべきと表現し、職員としての不適格性を印象付けたほか、会議の録音禁止前にもかかわらず裁判で記録を提出した教授をモラルと良識に反すると非難したことで、社会的評価が低下したとして賠償を命じた。……[続きを読む]

2015.01.12 【判決日:2014.04.16】
東豊商事事件(東京地判平26・4・16) 労組の街宣は名誉毀損、有期の組合員3人を雇止め 情宣活動で処分相当性欠く
ジャンル:
  • 労働組合
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 労組の街宣活動での発言が名誉棄損に当たるとして、雇止めされた組合員3人が地位確認等を求めた。東京地裁は更新の合理的期待を認めたうえで、情宣活動として行われ、発言が誇張・誇大で品位を欠き過剰なことは通行人が認識できる内容で、名誉棄損の程度は減殺されると判示。発言を指導せず、内容に相応の裏付けもあり、雇止めは社会通念上相当性を欠くとした。……[続きを読む]

2014.12.15 【判決日:2014.04.04】
DIPS事件(東京地判平26・4・4) 営業手当は月30時間分の時間外割増賃金に当たるか 固定残業代の性質有さない
ジャンル:
  • 割増賃金
  • 労働時間
  • 管理監督者性
  • 賃金

 アルバイトのシフト管理や指導をする者が、営業手当を月30時間分の割増賃金とする定めは無効として未払賃金等を求めた。東京地裁は30時間を超えるのは明白だが、出勤簿等から時間管理の意思がないことが推認できるほか、手当は成績で減給され固定残業代の性質とは相容れないと判示。時間外見合いの合意が成立したとは認め難いとした。 成績悪ければ減給 超過……[続きを読む]

2014.10.27 【判決日:2014.04.23】
海上自衛隊事件(東京高判平26・4・23) いじめで自殺、慰謝料のみを認定した一審の判断は 他に申告があり予見は可能
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

自衛隊員の自殺といじめに相当因果関係はなく、慰謝料のみ認めた一審を不服として、遺族が国等に損害賠償を求めて控訴した。東京高裁はうつ病の発症は否定したが、自殺以前に他の乗員が上司に加害者から暴行を受けた旨を申告しており、乗員らの事情聴取を行えば被害者の心身の状況も把握できたとして、約7300万円の支払いを命じた。 上司らが調査怠る 賠償の責……[続きを読む]

2014.09.15 【判決日:2014.04.22】
X学園事件(さいたま地判平26・4・22) 学生相談室員を業務命令違反で有期契約中に“解雇” 直ちに終了させる理由ない
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 1年契約を反復更新する学生相談室のカウンセラーが、日報不提出など業務命令違反により期間途中に解雇され、解決金の支払いのみとする労働審判確定後に提訴。さいたま地裁は通常の解雇より厳格に解すべきとし、日報不提出などは直ちに雇用を終了せざるを得ない特別の重大な事由には当たらないとしたが、態様から期間満了での雇止めは認容。 日報の不提出など 満……[続きを読む]

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