判決年月2017年3月の労働判例

2018.03.07 【判決日:2017.03.28】
学校法人原田学園事件(岡山地判平29・3・28) 学級崩壊見すごしたと准教授を事務へ職務変更 視覚補助の配慮検討が必要
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  • 配転・出向

 短大の女性准教授が、事務職への職務変更は視覚障害が理由で違法無効と訴えた。学校が主張する学生の問題行動の放置に関して、岡山地裁は、補佐員など適切な視覚補助により対応可能と判断。望ましい補助を模索することが合理的配慮の観点から望ましいところ、検討せずになされた職務変更は著しい不利益を与え権利濫用で無効とした。慰謝料100万円を命じる。 不……[続きを読む]

2018.01.25 【判決日:2017.03.29】
公立大学法人岡山県立大学ほか事件(岡山地判平29・3・29) 「入試結果改ざん」と報道され内部告発者を停職 情報提供理由の懲戒は無効
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  • 内部告発
  • 懲戒・懲戒解雇

 入試の採点で不正があったと報道され、先だって内部告発していた教授を「情報提供者」として停職とした事案。処分の違法性を争った。大学の名誉や信用を失墜させたとの懲戒理由について岡山地裁は、仮に情報提供者としても、告発内容は採点関係者の供述と符合し、不正を信じる正当な理由があったと認めて処分無効とした。情報提供の目的は公益性を有するとした。……[続きを読む]

2018.01.17 【判決日:2017.03.09】
ジブラルタ生命事件(名古屋高判平29・3・9) 吸収合併で部門廃止、望まない営業職へ移動は 「職種限定」考慮し配転無効
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  • 配転・出向

 営業社員を育成するリーダー職で採用された者が、配転命令の無効を求めた。吸収合併後に所属部門が廃止され、業務上の都合による配転を有効とした一審に対し、二審は、固定給の保証された入社後2年間の職種限定合意を認定。配転に誠実な対応が求められる中、希望しない営業マンとしたことに正当な理由はないとした。企業規模から他職種を提示できたとしている。……[続きを読む]

2017.11.22 【判決日:2017.03.28】
NHK(名古屋放送局)事件(名古屋地判平29・3・28) うつ病休職中の「テスト勤務」、無給は違法と訴える リハビリ出勤に賃金認めず
ジャンル:
  • 休職
  • 休職の終了・満了
  • 賃金
  • 賃金請求権

 うつ病休職からの復職可否を判断する6カ月のテスト出局に、賃金支払義務があるか等を争った。名古屋地裁は、リハビリ勤務の実施自体、裁量に委ねられるとしたうえで、軽度な作業を想定し、成果や責任もないなど労務の提供とはいえないと請求を棄却。出局中、管理職の指示に従うことも当然とした。遅刻早退によるテスト中止や休職満了の解職も違法性なしとした。……[続きを読む]

2017.11.15 【判決日:2017.03.30】
退職者への損害賠償請求事件(横浜地判平29・3・30) 業務引き継がず退職した元従業員に1千万円請求!? 不当訴訟で会社の違法行為
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 退職時に引継ぎをしなかった元従業員に対し、会社が約1270万円の損害賠償を請求した事案。逆に元従業員は、不当な訴訟提起として300万円を請求した。横浜地裁は、損害が生じ得ないことは通常人であれば容易に知り得るにもかかわらず、年収の5年分以上を請求し、裁判制度の趣旨目的に照らし著しく相当性を欠くと判断。会社に慰謝料100万円の支払いを命じ……[続きを読む]

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