『競業避止義務』の労働判例

2023.06.22 【判決日:2022.11.16】
不動技研工業事件(長崎地判令4・11・16) 同業他社への引抜き計画に関与した3人を懲戒 服務規律違反の解雇は無効
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  • 懲戒・懲戒解雇
  • 競業避止義務

 競合会社を立ち上げる元従業員の引抜き計画に加担したのは職務専念義務に反するとして、懲戒処分を受けた3人が処分無効を訴えた。長崎地裁は、懲戒解雇や降格処分等を無効とした。服務規律違反には改善を求めると定めているが指導等していなかった。部下らへ転職を働きかけたとも認められない。会社が処分内容等を社内や取引先へ公表、説明したことは名誉毀損に。……[続きを読む]

2023.05.18 【判決日:2022.05.13】
REI元従業員事件(東京地判令4・5・13) 競業避止契約に違反したとSEに損害賠償請求 転職先の制限広く合意無効
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  • 労働契約上の権利義務
  • 競業避止義務

 人材の派遣・紹介会社が、システムエンジニアに対し競業避止契約に違反したとして賠償を求めた。東京地裁は、客先の指示でシステム開発等に従事するため会社は独自のノウハウを有さず、提供を受けたともいえないなどとして、同義務を定めた目的や利益は不明と判断。転職先を制限する範囲は顧客の取引先を含むなど広範で、代償措置もないことから合意を無効とした。……[続きを読む]

2022.10.20 【判決日:2022.03.15】
X事件(横浜地判令4・3・15) 美容院店長が顧客情報利用禁止の仮処分求める 退職後も秘密保持義務負う
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  • 労働契約上の権利義務
  • 競業避止義務

 美容院のオーナー店長が、退職した元従業員に対し顧客情報の利用禁止を求める仮処分を申し立てた。横浜地裁は、雇用時に結んだ退職後も営業秘密を保持する誓約書を有効とし、2年間の営業活動等を禁じた。顧客名や電話番号等データベース化し管理していた情報を利用したことで、売上げ等の営業上の利益を侵害するとした。在職中に情報秘密保持手当を支給したことも……[続きを読む]

2021.09.16 【判決日:2020.11.11】
レジェンド元従業員事件(福岡高判令2・11・11)同業の保険代理店へ転職、顧客営業して賠償は 競業避止特約不利益大きい
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  • 労働契約上の権利義務
  • 競業避止義務

 同業他社へ転職した保険営業マンに対し、保険代理店が自社の顧客への営業活動を理由に損害賠償を求めた。誓約書に退職後の競業避止特約があった。一審は一部損害と認めたが、福岡高裁は、顧客すべてに対する営業禁止は公序良俗に反するとした。これまで獲得した顧客がすべて含まれ不利益が大きく、金銭の代償措置もなかった。顧客から引き合いを受け本人が勧誘した……[続きを読む]

2021.04.30 【判決日:2020.08.06】
福屋不動産販売事件(大阪地判令2・8・6) 同業他社へ従業員引き抜こうとした本部長クビ 単なる転職勧誘といえない
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  • 懲戒・懲戒解雇
  • 服務規律違反
  • 競業避止義務
  • 解雇

 従業員7人を同業他社に引き連れて転職しようとしたとして、懲戒解雇された本部長らが地位確認等を求めた。大阪地裁は、単なる転職の勧誘にとどまらず、社会的相当性を欠く態様で行われた引き抜き行為で、懲戒解雇を相当とした。給料の上乗せや300万円もの支度金を提示して転職の勧誘を繰り返していた。対象は優秀な営業マンらで経営に与える影響は大きいと推測……[続きを読む]

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