判決年月2016年7月の労働判例

2017.09.20 【判決日:2016.07.14】
リンクスタッフ元従業員事件(大阪地判平28・7・14) 入社1年で同業へ転職され誓約書違反と賠償求める 競業禁止3年の合意は無効
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 競業避止義務

 病院への有料職業紹介を行う会社が、競業禁止の誓約書に反して同業他社に転職した元従業員に対し、100万円の損害賠償を求めた。大阪地裁は、誓約書自体を無効とした。在籍約1年の平社員に対し3年間にわたり、地域の制限なく同業への転職を禁じ、代償措置とされる手当も月2200円に過ぎないなど、広い競業禁止の範囲を正当化するものとはいえないとした。……[続きを読む]

2017.05.31 【判決日:2016.07.19】
クレディ・スイス証券事件(東京地判平28・7・19) セクハラや競業理由に諭旨退職要求も拒否され解雇 注意指導なく処分重すぎる
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 懲戒権の濫用

 セクハラや競業を理由に諭旨退職を求めたが、拒否されたため懲戒解雇したところ地位確認等を求められた。東京地裁は、注意指導をせず極めて重い処分をしたことは社会通念上相当性を欠くと判断。懲戒事由に該当するが、2年間セクハラ被害の申告はなくこの間「親しげ」だったとして嫌悪感や精神的苦痛は割り引くのが相当とした。降職とする選択肢もあるとした。 懲……[続きを読む]

2017.05.24 【判決日:2016.07.04】
フジビグループ分会組合員ら事件(東京高判平28・7・4) 子会社労組のビラ配布で取引減、親会社が損害賠償請求 組合員個人の不法行為成立
ジャンル:
  • 労働組合

 倒産した子会社の労組に抗議された親会社が、取引減など損害が生じたとして、組合員に賠償を求めた。ビラの表現は社会的評価を低下させるとした一審に対し、二審はさらに取引先への文書送付は信用棄損の程度が甚だしいと判断。不法行為で350万円の支払いを命じた。労使関係にない第三者への団体行動も憲法の保障対象だが、正当な行動の範疇を超えるとした。 信……[続きを読む]

2017.02.20 【判決日:2016.07.08】
行橋労基署長事件(最二小判平28・7・8) 歓送迎会後に業務再開、帰社途中の事故死は労災? 参加任意でなく会社支配下 ★
ジャンル:
  • 労災
  • 業務上・外認定

 歓送迎会後、業務のため会社に戻る際の交通事故を労災不支給とされた事案。私的な会合で、参加した研修生の送迎も任意として業務上の事由には当たらないとした原審に対し、最高裁は、研修における行事の一環で会社間の関係強化に寄与し、事業活動に密接に関連と判断。上司の強い意向で参加し、送迎は社有車で行われ経路の逸脱もないなど会社支配下にあったとした。……[続きを読む]

2017.02.06 【判決日:2016.07.07】
コンチネンタル・オートモーティブ事件(東京高決平28・7・7) 解雇され生活困窮のおそれ、賃金仮払い申し立てる 仮処分の必要性認められず
ジャンル:
  • 解雇
  • 解雇権の濫用
  • 賃金
  • 賃金請求権

 普通解雇され、無効の判決を待っていては経済上窮状に陥るとして、賃金仮払いなどを求めたが却下されたため即時抗告した。東京高裁は解雇権濫用ではないとしたうえで、配偶者に収入があり訴訟提起が困難なほど急迫した危険が差し迫った状態とはいえないと判断。預金額が減少したと主張したが、解雇から2年以上経過しこの間訴訟提起が可能として抗告を棄却した。……[続きを読む]

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