判決年月2022年3月の労働判例

2023.03.23 【判決日:2022.03.30】
竹中工務店ほか2社事件(大阪地判令4・3・30) 偽装請負の状態であり元請へ直接雇用を求める 二重派遣にみなし適用せず
ジャンル:
  • 派遣

 工事の設計・施工図作成を請け負う会社の従業員が、実態は派遣に当たるとして委託先とその親会社に地位確認を求めた。大阪地裁は、親会社の指揮監督下にあり二重派遣の状態としつつ、労働契約申込みみなしの適用を否定。親会社らは派遣の役務の提供を受けたとはいえないとした。派遣に切り替えようとしたほか、違法な就労は2カ月に留まるなど損害賠償請求も退けた……[続きを読む]

2023.03.09 【判決日:2022.03.18】
北九州東労基署長事件(福岡地判令4・3・18) 4年前にうつ発病、過重労働で悪化と労災請求 業務量増え心理的負荷“強”
ジャンル:
  • 労災
  • 業務上・外認定

 4年前にうつ病を発症し、その後悪化したのは業務に起因するとして、労災保険給付の不支給処分取消しを求めた。福岡地裁は発病と業務の相当因果関係は否定したが、症状が悪化した直前の残業数は月100時間に達するなど心理的負荷は強として請求を認容。顕著に悪化したのは15日連続勤務の最終日だった。発病当時の上司から再び指導等を受けたことも考慮した。……[続きを読む]

2023.02.24 【判決日:2022.03.28】
東京芸術大学事件(東京地判令4・3・28) 約20年契約更新した非常勤講師を雇止め有効か 労契法上の労働者性認めず
ジャンル:
  • 労働者
  • 労基法の基本原則
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 有期労働契約を更新されず雇止めされたとして、非常勤講師が地位確認を求めた。委嘱契約を約20年間更新されていた。東京地裁は、労働契約法の労働者に該当しないとして請求を退けた。授業内容の策定等の指揮命令を受けず、遅刻早退の賃金控除や保険料の徴収もなかったほか、大学の本来的業務に不可欠な労動力として組み込まれていなかったことも考慮している。……[続きを読む]

2023.02.02 【判決日:2022.03.15】
リクルートスタッフィング事件(大阪高判令4・3・15) 有期派遣スタッフは交通費なく不合理な待遇? 手当不支給の仕事自ら選択
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金
  • 派遣

 通勤手当の支給がない登録型の派遣スタッフが、労契法旧20条の不合理な労働条件として損害賠償を求めた事案。一審は請求を退けた。大阪高裁は、短期雇用であり配転の可能性は少なく、手当が支給される業務を選択できたことなどから控訴を棄却した。通勤交通費の負担を考慮して時給を設定し、競合他社と比べて高めに設定したことも不合理性判断の要素としている。……[続きを読む]

2023.01.12 【判決日:2022.03.30】
セルトリオン・ヘルスケア・ジャパン事件(東京地判令4・3・30) 直行直帰のMRに事業場外みなし制を適用は? 労働時間算定し難いと認定
ジャンル:
  • 事業場外労働
  • 労働時間

 事業場外みなし制を適用され直行直帰で働くMR(医療情報担当者)が、労働時間は把握可能として割増賃金を求めた。東京地裁は、労働時間を算定し難いとしてみなし制の適用を認めた。訪問先は裁量に委ねられ、業務報告も軽易だった。スマートフォンで顧客管理システムにログインし出退勤時刻を打刻していたが、同システムは業務予定を入力するものではないとした。……[続きを読む]

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