判決年月2023年3月の労働判例

2024.04.04 【判決日:2023.03.27】
A社事件(東京地判令5・3・27) 雇止めされた国際線乗務員が無期化したと主張 人事管理行う国の法律適用
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  • 労働契約

 オランダの航空会社から雇止めされた日本人客室乗務員が、オランダ法の適用を主張してすでに無期転換済みと訴えた。雇用契約書で日本法を準拠法としていたが、東京地裁は、オランダ法に基づき地位確認等を認めた。労務提供地を特定できず、雇入れ事業所地の法が適用されると推定したうえ、国外で指揮命令や人事評価など人事管理の中核的な業務を行っていたことを重……[続きを読む]

2024.03.28 【判決日:2023.03.09】
中倉陸運事件(京都地判令5・3・9) 退職勧奨は障害者差別と主張して地位確認請求 通院治療のみ理由で慰謝料
ジャンル:
  • 病気
  • 解雇
  • 退職
  • 退職願

 退職勧奨に応じたドライバーが、精神障害が理由の差別等に当たり違法無効と主張して地位確認等を求めた。入社時の健診結果には、うつ病のほか糖尿病等が記載されていた。京都地裁は、退職勧奨は通院、服薬治療のみを理由に行われ、医師の知見を得るなど業務に与える影響を検討していないと判断。障害者への適切な配慮を欠き不法行為とした。合意解約は有効としてい……[続きを読む]

2024.02.15 【判決日:2023.03.29】
栃木県事件(宇都宮地判令5・3・29) 双極性障害で傷病休暇中に出した退職願有効? 辞職承認した処分取り消す
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  • 休職
  • 傷病休職
  • 退職
  • 退職願

 双極性感情障害による傷病休暇中に提出した退職願は無効として、職員が辞職承認処分の取消しを求めた。宇都宮地裁は、休暇中の面談で部長らは休みが長期化する懸念に加え、復職の困難性と退職の選択肢を示唆し、職員はうつ状態の悪化も相まって適切な判断は困難だったと判示。職員は復職を希望していたが、熟慮できないまま退職願を提出し、「自由な意思」といえず……[続きを読む]

2023.09.28 【判決日:2023.03.27】
広島県・県労委事件(広島地判令5・3・27) 組合員の解雇を不当労働行為とした労委命令は 反組合が決定的動機でない
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  • 労働組合

 労働組合の執行委員長らの解雇を不当労働行為とされた会社が、県労委の救済命令取消しを求めた行政訴訟。広島地裁は、通勤手当の不正受給や配転拒否を理由とした解雇には合理性、相当性が認められ、懲戒処分等は組合嫌悪が決定的な動機ではないと判断。不正受給に関し反省の態度を示さず、配転拒否にも合理的理由がないことや、弁明の機会を与えたことも考慮した。……[続きを読む]

2023.09.21 【判決日:2023.03.27】
東海旅客鉄道事件(東京地判令5・3・27) 鉄道乗務員の年休申請を業務上支障ありと拒否 時季変更権の行使に慰謝料
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  • 年休

 新幹線の乗務員が、年次有給休暇を申請したところ就労を命じられたため、時季変更権の行使は違法として慰謝料を請求した。東京地裁は、恒常的な人員不足の状態にあり、常時、代替要員を確保できない場合、時季変更権の行使は許されないと判断。年休予定日の5日前に勤務割を発表したが、行使に必要な合理的期間を超えていたなどとして、請求を一部認容した。 常時……[続きを読む]

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