判決年月2023年3月の労働判例

2024.07.04 【判決日:2023.03.31】
久 日本流通事件(札幌地判令5・3・31) 「売上げの10%」で計算する固定残業代は有効か 時間外労働の対価と認めず
ジャンル:
  • 割増賃金
  • 賃金

 「売上げの10%」を固定残業代として支給された貨物ドライバーが、未払いの割増賃金を請求した。札幌地裁は、雇用契約書には手当の趣旨や算定方法の記載はないなど、時間外労働等の対価とはいえないと判断。採用面接や給料日にも説明はなかった。手当は時間の長短にかかわらず一定額を支払うもので、通常時の売上げで算定する部分が含まれ、残業時との区別ができ……[続きを読む]

2024.05.16 【判決日:2023.03.03】
日本レストランシステム事件(東京地判令5・3・3) 飲食チェーンを経営、課長職には残業代なし? 権限限られ管理監督者否定
ジャンル:
  • 労働時間
  • 管理監督者性

 飲食チェーン店の運営会社で、戦略営業部の責任者である課長が、労基法の管理監督者には当たらないとして割増賃金等を請求した。東京地裁は、経営企画業務よりも店舗業務に追われ、権限責任は限定的なことから、管理監督者性を否定。指揮命令するよりも「される側」だったとした。非管理監督者である店長職の給与と比較すると、厚遇されていたとはいえないとしてい……[続きを読む]

2024.05.02 【判決日:2023.03.09】
させぼバス事件(福岡高判令5・3・9) 路線バスの停留所待機、休憩でないと割増請求場所ごとに労働時間か判断
ジャンル:
  • 割増賃金
  • 労働時間
  • 手待時間
  • 賃金

 路線バスの乗務員が、始発や終点のバス停で待機する時間は労働時間として割増賃金等の支払いを求めた事案の控訴審。継続して10分以上業務を離れることができる時間について、会社は休憩時間としていた。福岡高裁は一審と同様に、待機場所ごとに労働時間性を判断。乗客対応や車両移動の必要性があり、実態を踏まえ労働から解放されていない時間は労働時間として控……[続きを読む]

2024.04.04 【判決日:2023.03.27】
A社事件(東京地判令5・3・27) 雇止めされた国際線乗務員が無期化したと主張 人事管理行う国の法律適用
ジャンル:
  • 労働契約

 オランダの航空会社から雇止めされた日本人客室乗務員が、オランダ法の適用を主張してすでに無期転換済みと訴えた。雇用契約書で日本法を準拠法としていたが、東京地裁は、オランダ法に基づき地位確認等を認めた。労務提供地を特定できず、雇入れ事業所地の法が適用されると推定したうえ、国外で指揮命令や人事評価など人事管理の中核的な業務を行っていたことを重……[続きを読む]

2024.03.28 【判決日:2023.03.09】
中倉陸運事件(京都地判令5・3・9) 退職勧奨は障害者差別と主張して地位確認請求 通院治療のみ理由で慰謝料
ジャンル:
  • 病気
  • 解雇
  • 退職
  • 退職願

 退職勧奨に応じたドライバーが、精神障害が理由の差別等に当たり違法無効と主張して地位確認等を求めた。入社時の健診結果には、うつ病のほか糖尿病等が記載されていた。京都地裁は、退職勧奨は通院、服薬治療のみを理由に行われ、医師の知見を得るなど業務に与える影響を検討していないと判断。障害者への適切な配慮を欠き不法行為とした。合意解約は有効としてい……[続きを読む]

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