判決年月2008年3月の労働判例

2009.05.11 【判決日:2008.03.26】
国・中労委(函館厚生院)事件(東京地判平20・3・26) 大衆団交拒否を不当労働行為とした労委判断は 労使慣行から応諾義務あり ★
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  • 労働組合

 組合員の多数が参加する団交を拒否したこと等について、中労委の救済命令に対し会社・組合双方が取消しを求めた。東京地裁は、団交は代表者を通じて行うもので、使用者が応じる義務はないが、30年以上も継続し労使慣行が成立していること等から双方の請求を棄却した。なお、就業規則改定については事務折衝が事実上の団交に該当するとの中労委判断を支持した。……[続きを読む]

2009.02.23 【判決日:2008.03.28】
C病院(地位確認等)事件(盛岡地判平20・3・28) 院長急逝で新病院を開設、従業員も全員雇用? 使用者たる地位の承継なし
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  • 労働契約
  • 承継

 院長の死亡に伴う廃院・全職員の解雇後に開設した病院に不採用となった元職員ら34人が、新院長が使用者の地位を承継したとして労働契約上の地位確認等を求めた。盛岡地裁は、経営状況は債務超過状態にあり、従業員を選別し給与水準を引き下げたうえで新規採用することを条件に開設者となったこと等から、事業譲渡の合意があったとは認められないと判示した。 事……[続きを読む]

2009.02.09 【判決日:2008.03.28】
PSD事件(東京地判平20・3・28) 所属部門のミスが会社損害に、退職金で相殺!? 裁量の逸脱・濫用で無効に
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  • 賃金
  • 退職金

 技術部門のミスが原因で顧客に生じた損害金を、自己都合退職した同部門に属する4人の退職金から減額したところ、「賃金全額払い」に違反するとして4人が差額を請求した。東京地裁は、退職金規程に成果や業績に応じた減額規定はあるが、減額理由について会社から主張はなく、損害金を負担させるための減額であり、裁量を逸脱、濫用したもので無効と判示した。 賠……[続きを読む]

2009.01.26 【判決日:2008.03.21】
藤ビルメンテナンス事件(東京地判平20・3・21) 産廃処理業務の残業、出来高給に割増分含む? 時間外分を特定できず無効
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  • 割増賃金
  • 賃金

 廃棄物の夜間収集に従事した元従業員が、在職中の深夜労働を含む割増賃金を請求した。東京地裁は、時間外割増は能力給に含まれる旨就業規則に定められているが基礎となる算式はなく、収集重量に応じた出来高に時間外分がどのように含まれるか明示されず、黙示にも合意は成立していないとして請求を認容した。なお深夜分を基本給に含むことは不合理でないとした。……[続きを読む]

2008.09.29 【判決日:2008.03.26】
東日本電信電話ほか事件(東京高判平20・3・26) 担当業務の外注化に伴う広域配転は権利濫用か 甘受すべき程度の不利益に
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  • 配転・出向

 業務の外注化に伴い、全国広域の社員が配転させられたため、各々労働契約上の義務がないことの確認等を求めたが、原審は配転の必要性・合理性を認め、権利の濫用ではないとした。本件はその控訴審で、東京高裁は、原審判決を維持し、配転には業務上の必要性があり甘受すべき程度を超える不利益を負わせるものではなく、配転命令権の濫用とは認められないと判示した……[続きを読む]

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