判決年月2004年10月の労働判例

2005.05.30 【判決日:2004.10.29】
オリエント信販事件(東京地判平16・10・29) 退職した中途採用部長が“達成ボーナス”を要求 契約上の文言から請求認容
ジャンル:
  • 賃金
  • 賞与・一時金

 消費者金融向け汎用システムの組み替えで、年俸制の部長としてヘッド・ハンティングしたエンジニアが1年未満で退職し、300万円の達成ボーナスを求めたケース。会社は未完了を理由に支払いを延期したものだが、労働契約上の成果は実現し条件は満たしているとして、全額の支払いを命じた。 対象業務は部分的 支給条件を満たす 筆者:弁護士 岩本 充史 事案……[続きを読む]

2005.05.02 【判決日:2004.10.15】
近共油業事件(大阪地判平16・10・15) 防災要員が夜勤中の仮眠時間に割増賃金を請求 指揮命令下の時間と認容へ
ジャンル:
  • 仮眠時間
  • 労働時間

 石油コンビナートの油槽所で自衛防災組織要員として深夜勤務に従事する従業員が、仮眠時間中の時間外割増賃金を請求したもので、労働時間でなく休憩時間と会社は主張したが、災害発生時の防災活動が義務付けられており、労働から解放されず使用者の指揮命令下に置かれていると認定、請求を認めた。 労働から“未解放” 休憩時間に当らず 筆者:弁護士 渡部 邦……[続きを読む]

2005.04.25 【判決日:2004.10.28】
第三銀行事件(津地判平16・10・28) 55歳以降の賃金減額拒み旧制度で支払い求める 受忍範囲で規則変更は有効
ジャンル:
  • 定年制
  • 就業規則の不利益変更

 賃金減額を伴う55歳以降のコース別人事制度導入に同意しない少数労組の組合員ら26人が旧制度による賃金・賞与の支払いを求めたのに対し、減少幅は5~7%台と小さく、他に比べ人件費負担が高いなどを認定、不利益の程度は受忍範囲とし、内容の合理性や高度の必要性から就業規則の変更を有効とした。 小さい不利益程度 高度の必要性あり 筆者:弁護士 牛嶋……[続きを読む]

2005.02.07 【判決日:2004.10.14】
海外漁業協力財団事件(東京高判平16・10・14) 役員にトラブル告発、停職処分の職員が提訴へ 誠実性なく秩序乱す行為
ジャンル:
  • 内部告発
  • 懲戒・懲戒解雇

 勤務不良の調査活動中に起きたトラブルで、事件に関する告発文書を役員に送付し停職となった職員が、処分の無効確認等を求めたもの。自己の有利性確保が告発の目的で、業務に支障が生じるなど職場秩序維持を定めた就業規則違反に該当、停職中の賃金支払いを容認した地裁判断を覆し処分を有効とした。 自己の利益が目的 懲戒権濫用でない 筆者:弁護士 石井 妙……[続きを読む]

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