判決年月2006年10月の労働判例

2007.08.20 【判決日:2006.10.30】
みずほトラストシステムズ事件(東京地裁八王子支判平18・10・30) うつ病で新卒SE自殺、研修足りず負担増に? 特に過重な業務といえない
ジャンル:
  • 労災
  • 安全配慮義務

 SEで採用された新卒社員が入社3月後に患った精神疾患により自殺したのは、研修不足による技能で過重な業務に従事したためと、会社の安全配慮義務違反を理由に損害賠償を請求。東京地裁八王子支部は、新入社員である点を考慮しても過重な業務とはいえず、発症原因は個人的素因が大きいと判断、自殺に至る結果を予見することは不可能として、請求を棄却した。 個……[続きを読む]

2007.07.16 【判決日:2006.10.26】
ジョナサン事件(大阪地判平18・10・26) 経営難で閉店、全員解雇後すぐに新店オープン 偽装閉鎖で解雇権の濫用に
ジャンル:
  • 解雇
  • 解雇権の濫用

 店舗閉鎖を理由にパチンコ店全従業員が解雇されたところ、2カ月後に新店舗がオープンしたため、元従業員3人が偽装閉店で解雇は無効として地位の確認、賃金および慰謝料を請求した。大阪地裁は、退職の合意は窺えず、短期間での開店には事前計画が推認できるとし、人件費削減を目的とする偽装閉店と断じ、解雇権の濫用で無効としたうえ慰謝料の支払いも命じた。……[続きを読む]

2007.05.21 【判決日:2006.10.25】
マッキャンエリクソン事件(東京地判平18・10・25) 平社員降級の管理職が地位確認と差額賃金請求 評価認めるに足る証拠ない ★
ジャンル:
  • 昇給昇格・降格

 降級制度により非管理職に降級させられた管理職が、従前の地位の確認と賃金の差額の支払いを求めた事案。東京地裁は、非開示の降級基準を「著しい能力不足」の指標と位置付け、会社が主張するリーダーシップ欠如などの降級理由を検証し、そのすべてについて認めるに足りる証拠がないと認定、降級処分は裁量の範囲を逸脱し無効と判断。差額賃金の支払いを命じた。……[続きを読む]

2007.05.14 【判決日:2006.10.12】
アサヒ急配事件(大阪地判平18・10・12) 運送委託契約を解除、従事者が労働者性を主張 業務指示など使用従属関係に
ジャンル:
  • 労働者
  • 労基法の基本原則
  • 就業規則の不利益変更
  • 賃金・賞与

 業務委託契約により自動車貨物運送を行っていた労働者3人が、労組加入直後に行われた契約解除通知は、労働者に対する「解雇」に当たるとして、その無効と賃金支払いを訴えた。大阪地裁は、業務上の指揮命令や労働時間管理、報酬の決定方法などから使用従属関係を認容。労務提供は常用性を有しているとしたうえ、解雇法理を類推適用し、解雇無効と判示した。 報酬……[続きを読む]

2007.04.30 【判決日:2006.10.06】
ネスレ日本(懲戒解雇)事件(最二小判平18・10・6) 暴行事件から7年半経過後の懲戒解雇の当否は 権利留保に合理的理由ない ★
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 懲戒手続

 管理職への暴行事件から7年半後に行われた労組役員らに対する懲戒解雇の効力を争った上告審。最高裁は、会社が捜査機関の結果を待つため懲戒権の行使を留保したことについて、事件後処分の裁量があったうえ、不起訴になったにも拘らず解雇したことに合理的な理由はなく、社会通念上相当なものとは是認できないとして、原審判断を取り消し、懲戒解雇を無効とした。……[続きを読む]

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