判決年月2010年5月の労働判例

2010.12.20 【判決日:2010.05.25】
大庄事件(京都地判平22・5・25) 長時間労働が前提の勤務態様で居酒屋店員が過労死 会社法の賠償責任を認める
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 安全配慮義務

 居酒屋店員が、入社4カ月後に心不全で死亡したため親族が損害賠償請求した。京都地裁は、会社は残業が月80時間未満なら賃金控除するなど、長時間労働を常態化させており安全配慮義務違反と判示。役員らも善管注意義務として安全配慮義務を負うが、過重労働を招く不合理な体制を維持するなど、職務懈怠による損害であり会社法の責任を負うとして連帯で賠償を命じ……[続きを読む]

2010.11.08 【判決日:2010.05.18】
京都新聞COM事件(京都地判平22・5・18) 移籍した子会社での有期雇用は3年が上限と雇止め 例外も多く更新期待は当然 ★
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 京都新聞社の子会社の契約社員2人が、雇止めは不当として地位確認などを求めた。京都地裁は、雇用期間は長期に及び、契約満了時には翌年に継続する業務を担当しており、更新への期待は合理性があると判示。3年を超えて契約更新しない「3年ルール」は一定の合理性を有しているが、適用は厳格になされず周知も不十分で、雇止めは無効として賃金の支払いを命じた。……[続きを読む]

2010.10.04 【判決日:2010.05.27】
藍澤證券事件(東京高判平22・5・27) 正社員募集のはずが有期雇用、障害者を雇止めに… ミスを重ね改善見込めない
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 求人票とは異なる契約社員で採用された障害等級3級のうつ病患者が、雇止めは無効として地位確認等を求めた。東京高裁は、雇用契約書が優先するとしたうえで、事業者が業務遂行を支援、指導した場合、労働者も法に基づき能力向上の努力義務を負うと判示。能力に見合う業務に従事させたが、ミスを重ね改善できなかったとして行った雇止めには合理的な理由があるとし……[続きを読む]

2010.07.19 【判決日:2010.05.25】
飲酒役員損害賠償請求事件(最判平22・5・25) 昼間から飲酒し苦情殺到する兼務役員の解雇不当? 事前の懲戒処分なくても可 ★
ジャンル:
  • 勤務成績不良
  • 解雇

 飲酒癖のある兼務取締役が、取引先からの苦情や無断欠勤を理由に解雇されたため、不法行為に基づく損害賠償を請求した。原審は、懲戒処分等を採らず態度の改善を図る機会を与えていないとして解雇無効としたが、最高裁は、改善の見込みは乏しくやむを得ないとして原審を破棄した。また、訴訟前の労働審判は、前審の裁判には当たらないとして同じ裁判官でも適法とし……[続きを読む]

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