労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 2000年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2020.04.02 【判決日:2019.06.04】
企業組合ワーカーズ・コレクティブ轍事件(東京高判令元・6・4) 配送請け負う企業組合、ドライバーと雇用関係? 運営関与し「事業者性」あり NEW
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  • 労働者
  • 労基法の基本原則

 食材等の配送を請け負う「企業組合」の組合員が、労基法上の労働者として残業代を求めて控訴した。東京高裁は、使用従属性の判断に加え、事業者性の有無を重視。全員参加の会議で、配達チームの編成や報酬などの経営事項を協議して多数決で決めるなど、運営への実質的関与を認め事業者性を肯定した。時間的拘束性が強いといえず、指揮監督下とみるのも困難とした。……[続きを読む]

2020.03.26 【判決日:2019.02.25】
G社事件(東京地判平31・2・25) 即戦力採用の証券マン、試用満了で解雇される 多数回指導もミス繰り返す
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  • 労働契約
  • 試用期間

 即戦力として中途採用された証券アナリストが、3カ月の試用期間満了による解雇は無効と訴えた。東京地裁は、募集要項にある金融当局への正確な報告書作成が期待されていた中で、致命的なミスを繰り返し、多数回の指導を行ったものの有意な改善はみられなかったと判断。会社は一時期、連日のように面談するなどして問題点を指摘し、ミスの原因を事情聴取していた。……[続きを読む]

2020.03.19 【判決日:2018.12.20】
国・中労委(N)事件(東京地判平30・12・20) パワハラ事実ないと団交拒否し不当労働行為? 交渉の本質的要求と認めず
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  • 労働組合

 団交で雇止め撤回やパワハラの謝罪を求められた会社が、雇止め理由は十分説明し、パワハラもないとして交渉を打ち切った事案。会社は、パワハラをめぐる団交拒否を不当とした中労委命令の取消しを求めた。東京地裁は、団交の本質的な要求は雇止め撤回と判断。パワハラの有無を録音等の証拠に基づき議論できないなど、交渉に応じなかったのもやむを得ないとした。……[続きを読む]

2020.03.12 【判決日:2019.05.31】
三村運送事件(東京地判令元・5・31) 高速道路のSA滞在中も貨物監視し労働時間? 業務から解放されて「自由」 
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  • 仮眠時間
  • 労働時間

 トラックの長距離運転手が、サービスエリアの滞在時間も、顧客対応や荷物を常時監視するなど労働時間と主張して、割増賃金等を求めた。東京地裁は、車内で睡眠や飲酒したり、外へ出て入浴や食事などしており、業務から解放されて自由に利用できる状態とした。貨物を監視する規定や具体的指示はなく、荷物は重量物で盗難の可能性は低いなど、常時監視が義務付けられ……[続きを読む]

2020.03.05 【判決日:2019.07.03】
ヤマト交通事件(東京高判令元・7・3) 貸与する組合事務所を使いたいと明け渡し請求 事務所の代替施設は不適切
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  • 労働組合

 会社が労働組合に対し、無償貸与する組合事務所の明け渡しを求めた。会社は書類保管場所として使用する必要性を主張した。東京高裁は、返還を請求する正当な理由がある場合、使用貸借契約は終了するとしたうえで、適切な代替施設を提供したか否かが重要と判断。提示した防犯カメラ付きの食堂や5キロ離れた営業所などは、配慮が不十分など不適切として請求を斥けた……[続きを読む]

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