労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 過去10年分に渡り掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2018.07.19 【判決日:2017.11.10】
休日は事故対応で呼出し待機、割増賃金求める 携帯貸与も労働時間性なし 都市再生機構事件(東京地判平29・11・10) NEW
ジャンル:
  • 事業場外労働
  • 割増賃金
  • 労働時間
  • 賃金

 携帯電話を渡されるなど休日は事故発生に備え待機していたとして、総務課長が残業代を求めた。東京地裁は、本人は休日に外出していたことを認め、自宅待機の指示はなかったと認識していたと判断。過去3年間に事故は起きず、休日は労働からの解放が保障され、指揮命令下になかったとした。事故対応マニュアルにある「事故から3時間以内に集合」の記載は目安として……[続きを読む]

2018.07.12 【判決日:2017.10.04】
ハラスメントで退職勧告、拒否したと同日解雇 懲戒処分の切替えは不相当 国立大学法人群馬大学事件(前橋地判平29・10・4)
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  • 懲戒・懲戒解雇
  • 懲戒手続
  • 懲戒権の濫用

 パワハラやセクハラを理由に諭旨解雇を勧告され帰宅しようとした教授に対し、大学は応諾意思なしとして懲戒解雇した。裁判所は、処分の切替えに手続き的瑕疵があり不相当として、慰謝料15万円を認容。退職金に影響が及ぶなど、勧告に応じる機会を法律上保護される利益とした。検討に要する時間の聴取や回答期限を設定できたとしている。非違行為は軽微で解雇も無……[続きを読む]

2018.07.05 【判決日:2018.06.01】
非正規に手当なし、不合理といえるか最高裁は 賃金項目の趣旨個別に判断 ハマキョウレックス事件(最二小判平30・6・1)
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金
  • 均等待遇

 契約ドライバーと同一職務の正社員の手当格差をめぐる訴訟で、最高裁は、不合理か否かは、手当など項目の趣旨を個別に判断すべきとした。労契法20条は、職務内容の違いなどに応じた均衡待遇を求める規定で、均衡の幅は労使交渉や経営判断を考慮すると判断。原審で違法とした4種の手当に加え、皆勤手当の趣旨は出勤の奨励で、運転者を確保する必要性に差はないと……[続きを読む]

2018.06.28
定年後も同一職務、非正規の格差で最高裁判決 賃金引下げ不合理といえず 長澤運輸事件(最二小判平30・6・1)
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金
  • 定年・再雇用
  • 賃金

 定年後の嘱託再雇用により賃金全体を2割引き下げたことが、労契法の不合理な労働条件に当たるか争った事案で、最高裁は、職務などは同一としたうえで、定年後の再雇用を「その他の事情」として考慮。関連する賃金項目の趣旨に照らし、精勤手当など2つの手当を除き相違を違法でないとした。年金の開始まで調整給を支給するなど賃金制度上、配慮・工夫したと評価し……[続きを読む]

2018.06.21
精神疾患で休職、主治医見解採用せず退職扱い 「リワーク支援」も復職困難 東京電力パワーグリッド事件(東京地判平29・11・30)
ジャンル:
  • 休職
  • 休職の終了・満了

 精神疾患で休職中、リワーク(復職支援)プログラムに参加した技術系社員が、休職期間満了による退職無効を求めた。東京地裁は、低い出席率などリワークの評価からは症状が回復したとはいえず、評価を参照せずに就労可能とした主治医の見解は参酌できないとした。本人は配転を希望するが、人間関係の構築は必要で、精神状態の悪化を招く可能性があるとしている。………[続きを読む]

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