労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 2000年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2019.07.18 【判決日:2018.11.21】
セブン-イレブン・ジャパン事件(東京地判平30・11・21) コンビニ店主が「労働者」と未払賃金など求める 事業者性否定まではできず NEW
ジャンル:
  • 労働者
  • 労基法の基本原則

 コンビニ店主が、労働者に当たるとして未払賃金等を求めた。使用従属性が認められるとの主張に対し東京地裁は、労働者への指揮監督とは性質が異なるなど、事業者性を減殺し労働者性を肯定できるまでの事情はないと判断。フランチャイズ契約は労務の提供が目的ではなく、自ら業務を行うか等は経営者に委ねられていた。営業場所や時間の指定は契約の内容にすぎないな……[続きを読む]

2019.07.11 【判決日:2018.12.19】
北日本放送事件(富山地判平30・12・19) 定年後も番組制作、減った年収550万円請求 約3割の基本給差など容認
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金
  • 定年・再雇用
  • 退職

 定年後も番組制作を担当し、正社員との賃金の相違は不合理として、年収の差額約550万円の支払いを求めた。富山地裁は、職務の内容等が異なるほか雇用継続給付や企業年金の存在を考慮。両給付を足すと正社員時の基本給を上回った。賃金に関して労組との協議は十分行われており尊重すべきとした。約27%の基本給差は不合理といえず、祝金は恩恵的給付で法の適用……[続きを読む]

2019.07.04 【判決日:2018.07.02】
化学メーカーC社事件(東京地判平30・7・2) 有機溶剤で化学物質過敏症を発症と賠償求める 濃度測定せず安配義務違反
ジャンル:
  • 労働安全衛生法

 有機溶剤が発散する環境で化学物質過敏症を発症したとして、損害賠償等を求めた。東京地裁は、作業環境測定は安全配慮義務の内容に含むと判断。濃度を測定して保護具を支給等すれば、ばく露を回避できたと推認し、発症との相当因果関係を認めた。安衛法や有機則の公法的規制が直ちに安全配慮義務の内容になるとはいえず、規制の趣旨や具体的状況で判断するとしてい……[続きを読む]

2019.06.27 【判決日:2018.06.12】
エボニック・ジャパン事件(東京地判平30・6・12) 考課が「普通の水準」満たさないと61歳を雇止め “平凡な成績”なら基準充足
ジャンル:
  • 定年・再雇用
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇
  • 退職

 定年から1年後に再雇用の基準を満たさず雇止めされたため、地位確認やバックペイを求めた。東京地裁は、3年間の人事考課結果が「普通以上の水準」とは、会社主張の「平均以上」ではなく、高年法の趣旨から大半が達成し得る「平凡な成績」と判断。3年を通じた評価で考えるのが合理的とした。65歳までの継続期待を認めたうえで、年間賞与の未払分の支払いも命じ……[続きを読む]

2019.06.20 【判決日:2019.01.24】
日本郵便(大阪)事件(大阪高判平31・1・24) 契約社員が季節や病気時の休暇認められず控訴 「雇用5年超」格差は不合理
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金
  • 均等待遇

 契約社員が、手当や休暇制度で正社員と格差があるのは違法として損害賠償を求めた事案の控訴審。大阪高裁は、夏冬の休暇や病気休暇などを付与すべきかの判断において、「雇用期間が5年超」の基準を判示。労働契約法の無期転換権に触れ、相違を不合理とした。一審で格差を不合理とした扶養手当は、有為な人材確保の目的や効果があり、正社員のみも不合理とはいえな……[続きを読む]

年月アーカイブ

ページトップ