労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 過去10年分に渡り掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2018.05.17
懲戒発覚おそれ辞めたと事務員の退職金ゼロに 「解雇相当」でも半額命じる 医療法人貴会事件(大阪地判平28・12・9) NEW
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  • 賃金
  • 退職金

 退職後に懲戒解雇事由が発覚したとして、退職金なしとされた病院の元事務員が全額の支払いを求めた。規定では懲戒解雇時のみ不支給としていたが、大阪地裁は、退職届により労働契約は終了したものの、発覚した診療情報の改ざんは懲戒解雇相当であり、後払いとともに功労報償的性格を有する退職金の5割を超える請求を権利濫用として、約250万円の支払いを命じた……[続きを読む]

2018.05.10
時間に比例して歩合給減、割増賃金額満たすか 労基法37条の計算額上回る 国際自動車事件(東京高判平30・2・15)
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  • 割増賃金
  • 賃金

 時間外労働が長いほど歩合給が減る仕組みは違法とはいえないとした最高裁が、労基法37条の割増賃金額を満たすか審議のため差し戻した事案。東京高裁は、割増の基礎は、「割増金」控除後の歩合給としたうえで、会社は控除前の揚高で算出しており法の額を下回らないと判断。歩合給から割増金を控除する仕組みは、効率的な営業を奨励する合理的な制度とした。…筆者……[続きを読む]

2018.04.26
入社3年で異例の異動やバカ発言はパワハラか 配転と言動一体で不法行為 ホンダ開発事件(東京高判平29・4・26)
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  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償
  • 配転・出向

 入社3年で総務からランドリー班への異例の異動や、上司の「バカ発言」に関して、元従業員が配転無効や不法行為と訴えた。請求を棄却した一審に対して、東京高裁は、異動命令は新卒社員への配慮に欠けるものの、業務量増大と人員補充の必要から違法無効とまではいえない一方、上司の言動を一体のものとして考えれば不法行為に当たるとして、慰謝料100万円を命じ……[続きを読む]

2018.04.19
工場内に待機させ欠員出れば採用の日々紹介は 職安法違反も賠償は認めず 凸版物流ほか1社事件(さいたま地裁川越支判平29・5・11)
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  • 労働契約
  • 派遣

 「日々紹介」は違法な労働者供給として、労働者が人材紹介会社や請負会社に慰謝料等を求めた。労働者は「元」と現場待機のため1時間の労働契約を結ぶ一方、欠員が出れば「先」と都度契約していた。裁判所は契約の時間帯が20分重複し、二重の雇用関係にあるなど職安法44条違反としたが、同条は行政取締法規に過ぎず、就労の期待も法的保護には値しないとした。……[続きを読む]

2018.04.12
「専門業務型」のデザイナー、割増賃金を求める 裁量労働制 代表者選出といえず 乙山色彩工房事件(京都地判平29・4・27)
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  • 割増賃金
  • 労働時間
  • 賃金

 絵画制作や建造物の色彩修復のデザイナー4人が、専門業務型裁量制の適用はないとして割増賃金等を求めた。京都地裁は、協定届上の過半数代表者が会合や選挙を行っていないと述べるなど選出方法は不明で、就業規則案も制度導入の記載のみで周知といえるか疑問として、適法な手続きとはいえないと判断。役付手当の額や労務管理の権限等から管理監督者性も否定した。……[続きを読む]

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