労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1995年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2021.09.16 【判決日:2020.11.11】
レジェンド元従業員事件(福岡高判令2・11・11)同業の保険代理店へ転職、顧客営業して賠償は 競業避止特約不利益大きい NEW
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  • 労働契約上の権利義務
  • 競業避止義務

 同業他社へ転職した保険営業マンに対し、保険代理店が自社の顧客への営業活動を理由に損害賠償を求めた。誓約書に退職後の競業避止特約があった。一審は一部損害と認めたが、福岡高裁は、顧客すべてに対する営業禁止は公序良俗に反するとした。これまで獲得した顧客がすべて含まれ不利益が大きく、金銭の代償措置もなかった。顧客から引き合いを受け本人が勧誘した……[続きを読む]

2021.09.09 【判決日:2021.01.22】
関西外国語大学事件(大阪高判令3・1・22) 不誠実な団交理由に授業一部拒否、懲戒有効か 「指名スト」の正当性認めず
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  • 労働組合
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 組合活動

 担当授業を拒否してけん責処分とされた組合員5人が、処分無効等を求めた事案の控訴審。組合は団交でコマ数削減を求めたが、何年も平行線をたどり膠着状態だった。東京高裁も、会社は誠実交渉義務を果たしたが、一部組合員の「指名スト」により自力執行したもので、争議行為の目的は正当性を欠くと判断。行為の態様も、他の教員の負担増加などを招き人事管理権を侵……[続きを読む]

2021.09.02 【判決日:2020.12.04】
東京都就労支援事業者機構事件(東京地判令2・12・4) 事務局長を中途採用、セクハラで解任し雇止め 降格後の職務で更新認めず
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  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 事務局長(1年間の有期雇用)を、セクハラを理由に局員に降格して雇止めした事案。63歳で採用後、5年目に降格となり期間満了で雇止めした。東京地裁は、70歳定年と定め、雇用継続期間等も考慮すると更新期待に合理的理由はあると判断。一方で、降格は賃金の不利益はないなど人事権の裁量の範囲内としたうえで、局員としての十分な業務量はない等地位確認の請……[続きを読む]

2021.08.26 【判決日:2020.01.30】
新日本建設運輸事件(東京高判令2・1・30) 再就職してバックペイ請求を一部斥けた一審は 黙示の退職合意は成立せず
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  • 解雇
  • 解雇権の濫用
  • 賃金
  • 賃金請求権

 賃上げ交渉をめぐり業務に支障を生じさせたとして解雇された元従業員が、解雇無効と賃金支払いを求めた。一審は、再就職から半年ないし1年経過時点で、就労の意思を喪失し黙示の退職合意が成立するとしたのに対し、東京高裁は、再就職後も同水準の賃金を得ていた事実をもって退職合意は成立しないと判断。他社収入を一部控除したうえで判決確定日まで賃金の支払い……[続きを読む]

2021.08.19 【判決日:2020.02.25】
伊藤忠・シーアイマテックス事件(東京地判令2・2・25) 出向先から海外出張中に事故、損害賠償責任は 国外の交通事故予見できず
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  • 労災
  • 安全配慮義務
  • 損害賠償

 出向していた労働者がマレーシアへの出張中に交通事故に遭い、出向先らに安全配慮義務違反の損害賠償を求めた。車を手配したのは、出向先の従業員(現地の事業会社へ出向中)だった。東京地裁は、具体的な危険が存在することは予見困難と請求を斥けた。直近の事故の統計や分析のみでは同国内の交通事情を推認することは困難など、同義務違反を怠ったとはいえないと……[続きを読む]

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