労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 過去10年分に渡り掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2018.09.13 【判決日:2018.01.05】
営業マンの携帯へ電話やメール、みなし適用は 外勤全体の時間算定し難い ナック事件(東京地判平30・1・5) NEW
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  • 事業場外労働
  • 労働時間

 事業場外みなしで働く営業マンが、携帯電話やメールの指示を受け時間算定できるとして残業代等を求めた。東京地裁は、時間把握の事務が煩雑に過ぎるといった合理的理由があり「時間を算定し難い」とした。営業報告書の内容は簡易で訪問先への照会も非現実的としている。上司らの同行もなかった。労使協定に不備があり労働時間は営業担当の概況から1日11時間とし……[続きを読む]

2018.09.06 【判決日:2017.09.06】
看護学校の修学費を貸与、6年勤務せず返せ!? 返還免除 3年超える条件無効 医療法人K会事件(広島高判平29・9・6)
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  • 労働契約
  • 賠償予定

 看護学校在学中の「貸与金」の返還が免除される6年勤務していないとして、病院が退職した看護師らに約250万円の返還を求めた。広島高裁は、労基法の労働契約期間の上限を基準に返還免除まで3年を超えるか否かを重視。貸与金の実質は一部生活費であり、取得後4年超の勤務を考慮せず返還額は基本給の10倍に及ぶなど、退職を不当に制限する賠償予定で違法とし……[続きを読む]

2018.08.30 【判決日:2018.02.01】
通勤手当を定額払、パートは正社員の半分に? 交通費考慮せず相違不合理 九水運輸商事事件(福岡地裁小倉支判平30・2・1)
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  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金
  • 均等待遇

 パート4人が、正社員と通勤手当の額に差があるのは不合理として、未払分の支払いを求めた。手当は定額で、パートは正社員の半額の月5000円だった。裁判所は、職務の差異を踏まえても交通費の補てんという手当の性質から相違は不合理と判断。通勤時間や距離が正社員より短いといった事情もなかった。月3回欠勤で不支給とされ、皆勤手当と主張したが斥けられた……[続きを読む]

2018.08.23 【判決日:2018.05.24】
割増賃金を手当に含む、何時間か不明で効力は 「残業代3割」込みも有効に 泉レストラン事件(東京高判平30・5・24)
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  • 割増賃金
  • 賃金

 基本給、業務手当、資格手当の各3割を固定残業代として採用された元従業員が、時間外労働数が不明で割増賃金が支払われていないと訴えた。東京高裁は、定額手当制では対応する時間数を特定する必要はないと判断。基本給に組み込む定額給制とは異なるとした。手当の性質に照らして7割相当を「通常の賃金」としても不合理なところはなく、労基法37条に反しない。……[続きを読む]

2018.08.09 【判決日:2015.09.11】
ドライバーが事故相手に賠償後会社へ全額請求 使用者は損害の7割負担を 信州フーズ事件(佐賀地判平27・9・11)
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  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 業務中にトラック同士の衝突事故を起こしたドライバーが、相手方の会社に修理代38万円を支払った後、所属会社に全額負担を求めた。佐賀地裁は、賠償額の7割につき「逆求償」権を認めた。業務中で使用者にも自ずと賠償の負担部分があるとして、損害の公平な分担の見地から負担割合を決定。一方、会社が反訴請求した社有車の修理代は従業員に3割の賠償を命じた。……[続きを読む]

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