労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 2000年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2020.01.16 【判決日:2019.06.14】
宇和島労基署長事件(福岡地判令元・6・14) 営業マンの残業月70時間、心不全発症し労災は “過労死基準”下回るが認定 NEW
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  • 労災
  • 業務上・外認定

 魚の薬を販売する営業マンが、心不全で死亡し、遺族が労災不支給処分の取消しを求めた。残業は各月70時間など過労死の認定基準を下回っていた。福岡地裁は、長時間労働の継続に加え、死亡直前には多くの営業成績を上げている取引先の社長の要求に応えて、海に転落する危険性がある作業をするなど肉体的疲労かつ精神的緊張が大きかったことを考慮して請求を認めた……[続きを読む]

2020.01.09 【判決日:2019.02.08】
恩賜財団母子愛育会事件(東京地判平31・2・8) 割増賃金求める医師に病院が「管理職手当返せ」 不当利得返還請求を命じる
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  • 割増賃金
  • 労働時間
  • 管理監督者性
  • 賃金

 医長である医師が残業代を請求したところ、逆に病院から管理職手当の返還を求められた。医師には、時間外見合いの医師手当も支給されていた。労基署から残業代に関して是正勧告を受けるなど管理監督者でないことに争いはなかった。東京地裁は、内規に時間外労働等の対価と規定された医師手当を固定残業代と認めた一方、医長に管理職手当の受給権限はないとして不当……[続きを読む]

2019.12.12 【判決日:2019.07.30】
学校法人Y学園事件(名古屋地判令元・7・30) 教授に懲戒歴あり65歳定年後の再雇用拒否は? 定年に雇止め法理類推適用
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  • 定年・再雇用
  • 退職

 元教授が譴責処分を理由に、65歳定年後の再雇用を拒否されたのは無効として賃金支払等を求めた。規程で懲戒処分を受けた者を再雇用しない旨定めていた。名古屋地裁は、懲戒事由とされた情報漏えいは認められず処分無効としたうえで、雇止め法理を類推適用。過去、ほぼ全員が68歳の限度まで再雇用されており、給与規程に基づき定年時の俸給を適用し3年分の賃金……[続きを読む]

2019.12.05 【判決日:2019.04.24】
近畿大学事件(大阪地判平31・4・24) 男性講師が9カ月育休、定昇なく損害賠償請求 就労期間あり昇給停止違法
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  • 昇給昇格・降格

 育休を9カ月間取得した男性講師が、定昇が行われず損害賠償を求めた。大学では、前年度12カ月勤務した者を1号俸昇給させていた。大阪地裁は、昇給は在籍年数に応じた年功賃金的な制度としたうえで、育休以外は就労し、功労を一切否定するのは不合理と判断。不法行為が成立するとした。私傷病休職等で昇給が抑制されていたとしても、育休の不利益取扱いは否定さ……[続きを読む]

2019.11.28 【判決日:2018.09.13】
公益財団法人後藤報恩会ほか事件(名古屋高判平30・9・13) 面談で注意指導、声荒げず違法性なしの一審は 職場排除示唆したパワハラ
ジャンル:
  • 退職
  • 退職勧奨

 学芸員がパワハラを受けたとして、退職後に慰謝料を求めた。館長らは年休の取得方法や時季を問題視して、面談で「非常識」「次は辞表を書いていただく」などと発言した。声を荒げず職務上の注意指導とした一審に対し、高裁は、館長らは代表理事の親族であり、地位、立場に照らし職場から排除を示唆されたと感じ得るもので、社会的相当性を逸脱する退職勧奨でパワハ……[続きを読む]

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