判決年月2014年3月の労働判例

2016.01.25 【判決日:2014.03.06】
甲野堂薬局事件(最一小判平26・3・6) 控訴中に未払残業代払うも付加金認容され会社上告 清算後は支払命令できない
ジャンル:
  • 割増賃金
  • 賃金

 未払割増賃金等の支払いを命じられた会社が控訴し、審理中に賃金清算したが、判決で付加金の支払いを命じられたため上告した。最高裁は、付加金は法違反の場合に当然に権利が発生するものではないとしたうえで、口頭弁論終結時までに法違反の状況が消滅すれば、裁判所は支払いを命じることはできないと判断。付加金請求を認容した二審判決を一部破棄した。 法違反……[続きを読む]

2015.02.16 【判決日:2014.03.25】
日産自動車ほか事件(横浜地判平26・3・25) デザイン業務に派遣6年受入れ、黙示の契約成立か 「元」で労働管理の実体あり
ジャンル:
  • 派遣

 派遣先で車体のデザイン業務に6年間従事したが契約期間満了に伴い雇止めされたため、「先」に地位確認などを求めた。横浜地裁は最高裁判決を引用し、事前面接などの法律違反をもって派遣元との雇用関係が無効になるわけではなく、賃金支払いや時間管理の実態などから「先」の労働者と同一視できる特段の事情は認められないとした。専門業務で雇用申込み義務もない……[続きを読む]

2014.11.24 【判決日:2014.03.12】
鹿児島県・U市(市立中学校教諭)事件(鹿児島地判平26・3・12) 指導力不足の研修中自殺、うつ病配慮なく賠償請求 県の責任認容も5割を減額
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 うつ病を発症した教師が指導力向上の特別研修中に自殺し、遺族が県らに損害賠償を求めた。鹿児島地裁は、校長らは言動から精神状態の悪化を把握できたが、通院状況を確認せず研修を命じたり退職を促しており心理的負荷が大きいと判示。ストレスをためやすく、自ら病気休暇延長を断るなど素因減額で3割、過失相殺で2割の5割を減額した。 素因と過失相殺で スト……[続きを読む]

2014.10.06 【判決日:2014.03.14】
富士ゼロックス事件(東京地判平26・3・14) 職務怠慢の問題社員を中途採用から1年で普通解雇 再三注意も改善見込みなし
ジャンル:
  • 勤務成績不良
  • 解雇

 障害者雇用促進法で定める障害者として中途採用された者が、勤務成績不良や多数の業務命令違反を理由に1年で解雇され地位確認等を求めた。東京地裁は居眠りや日報の提出遅れ、期待を大きく下回る評価など服務・能力上の問題に対し注意や研修を繰り返したほか、本人希望も考慮し職場環境を替えたが改まらず、解雇は社会通念上相当とした。 異動希望にも対応 期待……[続きを読む]

2014.06.09 【判決日:2014.03.24】
東芝事件(最二小判平26・3・24) 神経科の通院歴隠しうつ病発症、賠償減じた判断は 申告し難く過失といえない ★
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 損害賠償

 うつ病を発症し、神経科の通院歴などを会社に申告しなかったことが、労働者の過失に当たるとして賠償額を2割減額した事案の上告審。最高裁はメンタルヘルスに関する情報はプライバシーに属し会社に申告し難いとしたうえで、上司に体調不良による業務軽減を申し出ており、会社は過重業務と認識できたと判断。原審判決を破棄し差し戻した。 業務軽減要求あり 過重……[続きを読む]

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