指導力不足の研修中自殺、うつ病配慮なく賠償請求 県の責任認容も5割を減額 鹿児島県・U市(市立中学校教諭)事件(鹿児島地判平26・3・12)

2014.11.24 【判決日:2014.03.12】

 うつ病を発症した教師が指導力向上の特別研修中に自殺し、遺族が県らに損害賠償を求めた。鹿児島地裁は、校長らは言動から精神状態の悪化を把握できたが、通院状況を確認せず研修を命じたり退職を促しており心理的負荷が大きいと判示。ストレスをためやすく、自ら病気休暇延長を断るなど素因減額で3割、過失相殺で2割の5割を減額した。

素因と過失相殺で ストレス耐性低い

筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)

事案の概要

 Kは、昭和49年生まれの女性で、平成18年10月、鹿児島県総合教育センターにおける指導力向上特別研修の受講中に自殺した(32歳)。

 Kの両親である原告Xらは、被告U市の市立A中学校のB校長およびC教頭による、執拗な叱貴・指導、教員免許外の科目担当による業務過重、Kの精神疾患を考慮しない指導力向上特別研修の受講命令等のいわゆるパワハラ、研修担当指導官らによる人格攻撃により、Kが精神障害を発症ないし増悪させて自殺したと主張し、U市および鹿児島県に対し、連帯して、民法715条に基づく使用者責任、信義則上の安全配慮義務達反の債務不履行または国家賠償法1条1項および3項による損害賠償請求権に基づき、各4831万円余と遅延損害金の支払いを求めた。

 本件の争点は、B校長らの行為に関する①信義則上の安全配慮義務違反ないし国家賠償法上の違法性の有無、②Kの精神疾患の発症ないし増悪および自殺との因果関係、③損害の有無および額である。

判決のポイント

 使用者は、…業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負うと解するのが相当であり、…

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掲載 : 労働新聞 平成26年11月24日第2994号14面

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