『損害賠償』の労働判例

2023.06.08 【判決日:2022.06.23】
関西新幹線サービック事件(大阪地判令4・6・23) コロナ禍に有給の自宅待機認められず慰謝料!? 出勤命令は裁量権の範囲内
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 コロナ禍で有給の自宅待機とされた日を出勤日に変更された従業員が、感染の危機にさらされたとして慰謝料等を求めた。大阪地裁は、一定のルールに基づき待機の日を割り当てたことに裁量権の逸脱濫用は認められないと判断。労働者に待機を求める権利はなく、出勤指示は重い負担や不利益を課すものでないとした。臨時に出勤を命じることがあると組合と協定していた。……[続きを読む]

2022.03.17 【判決日:2021.07.21】
肥後銀行事件(熊本地判令3・7・21) 株主代表訴訟で取締役らに過労自殺の賠償請求 時間管理体制は適正に整備
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 長時間労働により自殺した行員の遺族が、取締役らが適正な労働時間管理体制の構築を怠ったとして、株主代表訴訟を提起した。熊本地裁は、適切な労働時間管理体制は構築され、善管注意義務違反は認められないとした。自己申告を基礎とする仕組みを採用し、実態把握や改善のための調査を行っていたと認定した。上司でない取締役らが長時間労働を予見するのは困難とし……[続きを読む]

2021.08.19 【判決日:2020.02.25】
伊藤忠・シーアイマテックス事件(東京地判令2・2・25) 出向先から海外出張中に事故、損害賠償責任は 国外の交通事故予見できず
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 出向していた労働者がマレーシアへの出張中に交通事故に遭い、出向先らに安全配慮義務違反の損害賠償を求めた。車を手配したのは、出向先の従業員(現地の事業会社へ出向中)だった。東京地裁は、具体的な危険が存在することは予見困難と請求を斥けた。直近の事故の統計や分析のみでは同国内の交通事情を推認することは困難など、同義務違反を怠ったとはいえないと……[続きを読む]

2021.03.04 【判決日:2020.07.09】
損害賠償請求事件(最一小判令2・7・9) 交通事故で障害負う、賠償金毎月受け取りたい 一時金でなく定期払い命ず ★
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 交通事故で脳挫傷を負った子の両親が、保険会社らに月1回の定期的な損害賠償の支払いを求めた事案の上告審。一時金の場合は利息控除の減額があった。最高裁は、損害の実態に即した公平な賠償を実現する観点から相当と認められる場合に、逸失利益は定期払いの対象になると判示。後遺障害の程度など事情が著しく変化したときは、損害額のかい離を是正するための訴え……[続きを読む]

2021.02.25 【判決日:2020.07.02】
損害賠償請求事件(大阪地裁堺支判令2・7・2) 国籍を誹謗中傷する文書配布され違法と訴える “差別受けるおそれ”に賠償
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 社内の配布文書で国籍を誹謗中傷されたとして、会社らに損害賠償を求めた。会社は教育の一環としていた。裁判所は、差別的取扱いを受けるのではないかとおそれを抱いて然るべきと判断、また文書の配布態様から人格的利益の侵害とした。文書の内容は著しい侮辱と感じられ名誉感情を害するもので、かつ、反復継続して大量に配布し、口頭で自由に意見することも困難だ……[続きを読む]

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