『仮眠時間』の労働判例

2020.03.12 【判決日:2019.05.31】
三村運送事件(東京地判令元・5・31) 高速道路のSA滞在中も貨物監視し労働時間? 業務から解放されて「自由」 
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 トラックの長距離運転手が、サービスエリアの滞在時間も、顧客対応や荷物を常時監視するなど労働時間と主張して、割増賃金等を求めた。東京地裁は、車内で睡眠や飲酒したり、外へ出て入浴や食事などしており、業務から解放されて自由に利用できる状態とした。貨物を監視する規定や具体的指示はなく、荷物は重量物で盗難の可能性は低いなど、常時監視が義務付けられ……[続きを読む]

2019.09.05 【判決日:2018.08.29】
K社事件(東京高判平30・8・29) 2人体制の夜行バス、運転待機中も労働時間? 「仮眠可能」で業務から解放
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  • 仮眠時間
  • 労働時間

 夜行バスの運転手らが、交代要員としての乗車時間に賃金支払いを求めた事案の控訴審。高裁もリクライニングの座席など国交省の定める運転者の配置基準を満たすとしたうえで、仮眠できる状態で労働から離れることが保障されていると判断。場所的な拘束はやむを得ず、制服の着用義務はあるが上着を脱ぐことは許されるなど、休憩するために配慮された環境と評価した。……[続きを読む]

2017.12.21 【判決日:2017.05.17】
イオンディライトセキュリティ事件(千葉地判平29・5・17) 24時間勤務の警備員、仮眠や休憩に未払賃金求める 不活動時間でも指揮命令下
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 警備員が4時間の仮眠や30分の休憩時間は、労働時間に当たるとして賃金支払いを求めた。千葉地裁は、警備は1人体制であり、警報の作動時には「即応」が求められていたと判断。仮眠中も寝巻きに着替えることはなく、緊急出動の実績も踏まえて、全体として労働から解放されているとはいえず指揮命令下にあるとした。付加金と合わせ177万円の支払いを命じた。……[続きを読む]

2016.10.24 【判決日:2015.08.10】
阪急バス事件(大阪地判平27・8・10) 24時間交替勤務の助役、独自に日報作成し割増請求 休憩の一部未取得に付加金
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 一昼夜勤務する営業所の助役が、独自に作成した日報に基づき、5時間の仮眠や3時間の休憩は労働時間であるとして割増賃金を求めた。大阪地裁は、日報の内容は客観的事実と異なり信用性を欠き、残業に必要な支社長の承認もないなど労働時間の記録とは評価できないと判断。仮眠中は労働から解放されているが、休憩には一部労働が含まれるとして割増賃金と付加金を認……[続きを読む]

2005.11.14 【判決日:2005.02.25】
ビル代行業(宿直勤務)事件(東京地判平17・2・25) 休憩、仮眠時間は労働時間?警備員が手当請求 仮眠中に役務提供義務ある
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  • 仮眠時間
  • 労働時間

 宿直勤務を伴う警備業務に従事する従業員が始業時の更衣・朝礼時間、休憩時間、仮眠時間は労働時間と主張し、時間外・深夜割増賃金を請求したケース。東京地裁は外出などが許される休憩時間は非労働時間、朝礼や更衣、仮眠時間中は役務提供などが義務づけられているとして労働時間に認定した。 労働から解放されず 自由利用の休憩除外 筆者:弁護士 加茂 善仁……[続きを読む]

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