三村運送事件(東京地判令元・5・31) 高速道路のSA滞在中も貨物監視し労働時間? 業務から解放されて「自由」 

2020.03.12 【判決日:2019.05.31】
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 トラックの長距離運転手が、サービスエリアの滞在時間も、顧客対応や荷物を常時監視するなど労働時間と主張して、割増賃金等を求めた。東京地裁は、車内で睡眠や飲酒したり、外へ出て入浴や食事などしており、業務から解放されて自由に利用できる状態とした。貨物を監視する規定や具体的指示はなく、荷物は重量物で盗難の可能性は低いなど、常時監視が義務付けられているとはいえない。

指示や規定もなく 車内で睡眠や飲酒

筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)

事案の概要

 会社の作業員として貨物自動車(トラック)の運転業務等に従事する労働者甲ら(9人)が、平成26年7月16日~平成28年8月15日までの期間について、未払割増賃金等の支払いを求めた。

 本件で問題となったのは、甲らが長距離運行に際して高速道路上に設置されているサービスエリアやパーキングエリア(以下「SA等」)並びにトラックステーション(主にトラック運転手向けに食事・休憩・仮眠・入浴等のサービスを提供する施設)、ホテル等の宿泊・休憩施設(これらの施設を併せて以下「休憩施設等」)に滞在している時間が労基法上の労働時間に該当するかどうか、という点にあった。

 判示によると、甲らは、SA等において、車内で睡眠、食事、飲酒をしていたほか、テレビをみたり、トラックを駐車したうえで手洗いに行き、飲食物を購入したり、休憩施設等では入浴や食事をして過ごしていた。また、会社は甲らに対して、SA等や休憩施設等においてトラックから離れたり、睡眠・飲食や入浴を特に禁止しておらず、休憩・宿泊等の時期・場所等も逐一指示することはなく、甲らの裁量に委ねていた、と認定されている。…

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令和2年3月16日第3249号14面 掲載

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