ビックカメラ事件(東京地判令元・8・1) 精神科を受診後も問題行動繰り返して普通解雇 休職措置なくても解雇有効

2020.09.17 【判決日:2019.08.01】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 売場で問題行動を繰り返す販売員に対し、3度の懲戒処分をしたが改善がみられず解雇した事案。従業員は、精神疾患に休職措置が採られず解雇無効と訴えた。東京地裁は、会社は精神科の受診と通院加療を命じるなど配慮したが、本人は通院を怠ったことなどから、休職措置を講じなくても解雇権濫用とはいえないと判断。他の売場なら就業に適する状態になるとも認められないとした。

通院命じたが拒否 配転で改善期待薄

筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議)

事案の概要

 Xは、Y社との間で雇用契約を締結し、販売員等として勤務していたが、平成26年頃から問題行動をとるようになり、Y社では店舗と本部が相談をしながら、注意・指導を重ねていた。

 Y社は、Xの不適切な言動が精神疾患によるものである可能性を考慮し、産業医との面談を実施し、専門医の受診を命じるなどしたところ、適応障害、心身症、反応性うつ病等の診断がなされた。しかし、Xは継続的な通院をせず、無断で早退や長時間の職場離脱をする、トイレに行くと告げて食堂で寝る、上司に対して侮辱的な内容のメールを送信する、業務における事務手続き上のミスをする、インカムを用いて不適切な発言を行う等の問題が多発し、Y社は、平成27年8月に譴責、同年10月に出勤停止7日間、平成28年3月に降格(降給)の懲戒処分を行い、再三の注意・指導、3回にわたる懲戒処分にもかかわらず改善がないとして、同年4月にXを解雇した。

 Xは、トイレに行くことに関する言動に関してはY社に不適切な対応があったとし、また、配置転換や休職命令等の措置を採らなかったこと等を指摘して、本件解雇は無効であるとして提訴した。…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

令和2年9月21日第3273号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。