判決年月2024年10月の労働判例

2025.08.21 【判決日:2024.10.15】
美容室A事件(東京地判令6・10・15) レジから釣銭500円玉取ったが客からのチップ!? 売上金取得して解雇有効に
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  • 解雇
  • 勤務成績不良

 レジから売上金を窃取したとして、解雇された美容師が地位確認等を求めた。防犯カメラには、釣銭以外に500円硬貨を取り出す映像が記録されていた。東京地裁は、会計の際「チップ」を受け取ることはあったが、顧客から代金を上回る金額を受けていなかった4回の会計で、計2000円を不法に得たと認定。被害は少額だが、労使間の信頼関係を破壊したとしている。……[続きを読む]

2025.07.31 【判決日:2024.10.22】
ジャパンチキンフードサービス事件(東京地判令6・10・22) セクハラ事実確認で会社協力、使用者に責任は ヒアリングせず対応不十分
ジャンル:
  • 女性
  • セクハラ

 飲食店店員が店舗でセクハラを受けたとして、会社に慰謝料等を求めた。会社は、相談に応じ店内の録画データを提供したなどとして、安全配慮義務違反はないと主張した。東京地裁は、セクハラ事実を認めたが、当事者から詳細な聞取り調査をせず、加害者への指導や被害者に謝罪もなかったことから、会社対応として不十分と判断。慰謝料30万円の支払いを命じた。 加……[続きを読む]

2025.07.24 【判決日:2024.10.22】
マニュライフ生命保険事件(東京地判令6・10・22) 保険営業員が業法違反、懲戒解雇で退職金なし 勤続の功あり3割は支給を
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  • 賃金
  • 退職金
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 職務上の不正行為

 保険業法違反の名義借契約を理由に、懲戒解雇された営業職員が退職金の支払いを求めた。東京地裁は、懲戒解雇を有効と認めたが、退職金を不支給とするには勤続の功を抹消、減殺する著しい背信行為を要するとした。名義借の悪質性や会社の社会的信用を棄損したことを踏まえても、名義借は1件のみで過去に懲戒歴もなかったことから、退職金の3割の請求権を認めた。……[続きを読む]

2025.06.26 【判決日:2024.10.17】
東光高岳事件(東京高判令6・10・17) 再雇用契約を更新、賃金減額拒否して雇止めは 変更後の労働条件に合理性
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 定年後再雇用された労働者が、初回の更新に際し、吸収合併した親会社からの賃金減額を拒否して雇止めされた事案。一審は、直前の労働条件と同一内容での更新期待は認められないとした。東京高裁は、労契法19条2号の更新は同一の条件で更新されるものに限定されないが、合併後に条件を統一する必要性から、業績堅調でも賃金減額の合理性を認め、雇止め有効とした……[続きを読む]

2025.05.29 【判決日:2024.10.31】
日本硝子産業事件(静岡地判令6・10・31) 最低賃金の「試し勤務」せず休職満了で退職扱い 復職時に会社への協力怠る
ジャンル:
  • 休職
  • 休職の終了・満了

 休職から復職する際、最低賃金の試し勤務を拒否した執行役員が、復職を認められず違法等と訴えた。静岡地裁は、会社が治ゆを認定できるよう労働者は協力義務を負うとした。出勤を命じる必要性等を認めたうえ、賃金の協議に会社は応じる意向だったとして、会社の提案を理由とした出勤拒否は正当化できないとした。なお、管理監督者と認めて割増賃金請求も退けた。……[続きを読む]

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