判決年月2006年11月の労働判例

2008.10.06 【判決日:2006.11.09】
熊本県教委事件(福岡高判平18・11・9) 教諭が飲酒運転で2度逮捕、懲戒免職は妥当か 加重処分として合理性欠く ★
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 飲酒行為

 中学校教諭が、2度にわたる酒気帯び運転による逮捕等で懲戒免職されたため、処分の取消しを求めたが、一審では飲酒運転抑止のための人事院指針に沿った措置であると請求を棄却した。控訴審の福岡高裁は、非違行為が複数あって加重処分として免職を選択するには行為の行状やそれに至る経緯、教諭の高い評価等を考慮すると厳しすぎるとして、有効とした一審を取り消……[続きを読む]

2007.09.03 【判決日:2006.11.24】
JR西日本尼崎電車区事件(大阪高判平18・11・24) 再教育受けた運転士が自殺、指導側に落ち度? 予見不可能で因果関係否定
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  • 労災
  • 安全配慮義務

 電車の遅発を理由に安全運転の再教育を受けていた運転士が教育期間中に自宅で自殺したため、遺族が上級管理者や会社に損害賠償を請求した事案の控訴審。大阪高裁は、安全性確保の理念からミスを犯した社員に再教育を行うことは相当と判示。心理的負担を負ったことを契機に自殺に至る過程を予見することはできなかったとして、一審判決を支持し控訴を棄却した。 極……[続きを読む]

2007.08.13 【判決日:2006.11.28】
松下電器産業グループ事件(大阪高判平18・11・28) 企業年金2%減額は合法、受給者が控訴したが 改廃規定の合理性を認める
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  • 賃金
  • 退職年金

 自社年金である「福祉年金」の給付率引下げは違法として効力を争った事案の控訴審。大阪高裁は、本件規程の変更可否について合理性・周知性を備えた年金契約であり、約款法理を採用し有効と判断。さらに業績の推移など、経済情勢等の変動を契機とする給付利率改定の必要性と改定後の利率の相当性という要件を満たしており、減額を有効とし、請求を棄却した。 “約……[続きを読む]

2007.07.09 【判決日:2006.11.16】
光仁会病院・組合旗事件(長崎地判平18・11・16) 病院正門に組合旗掲揚、施設無断使用で賠償請求 対外的な信用毀損は明らか
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  • 労働組合

 夏季賞与額を巡り組合が無断で病院正門に組合旗を3カ月余掲揚したため、病院側が不法行為責任に基づく損害賠償を請求、組合側も分会長への停職処分無効を求めた。長崎地裁は、使用者の許可を得ず施設を使い、組合活動を行うことは施設管理権を侵しており、度々の警告を無視して掲揚を続けたことから、病院の信用毀損を認め、上部団体と支部に賠償を命じた。 正当……[続きを読む]

2007.07.02 【判決日:2006.11.10】
PE&HR事件(東京地判平18・11・10) 準取締役で採用した社員が退職し残業代を請求 処遇実態は管理職にあらず
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  • 労働時間
  • 始業終業時刻

 「パートナー」として採用されたが、会社が主張する管理監督者性がないとして退職後に時間外割増賃金の支払いを求めた。東京地裁は、時間外手当に代わる特別の手当も支給されておらず、地位・就業面・給与面の待遇に照らし管理職の地位にないとして請求を一部認容。なお時間管理が行われていないため、使用パソコンのログデータを用いて残業時間を算定している。……[続きを読む]

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