判決年月2020年2月の労働判例

2022.04.21 【判決日:2020.02.26】
広島山陽学園事件(広島高判令2・2・26) 退職後発覚した非違行為、訴訟で主張できる? 雇止め理由の追加を認めず
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 雇止めされた教員が地位確認を求めた事案の控訴審。学校は、訴訟において雇止め後に発覚した非違行為を追加主張した。広島高裁は、退職証明書に記載のない事項は、雇止めの事情として考慮できないと判断。証明書は労働者に解雇の効力を争うか否かの便宜を与えるためのもので、労基法の立法趣旨に反するとした。1年分の賃金支払いを命じたが、次期更新時の雇止めは……[続きを読む]

2022.01.07 【判決日:2020.02.19】
日本エイ・ティー・エム事件(東京地判令2・2・19) 年休取得日は勤務実績ないと一部手当をカット シフト手当も”通常の賃金”
ジャンル:
  • 年休

 時給制のアルバイトが、年次有給休暇を取得した日の「通常の賃金」に、シフト勤務手当等の未払いがあると訴えた。東京地裁は、所定労働時間労働した場合には必ず同手当の対象だったと判断。就業規則で不支給と定めた部分は、労基法に反し効力を有しないとした。一方で、日曜・祝日等に勤務した場合の手当は、実際に出勤事実がないことから算定から除外した。 所定……[続きを読む]

2021.08.19 【判決日:2020.02.25】
伊藤忠・シーアイマテックス事件(東京地判令2・2・25) 出向先から海外出張中に事故、損害賠償責任は 国外の交通事故予見できず
ジャンル:
  • 労災
  • 安全配慮義務
  • 損害賠償

 出向していた労働者がマレーシアへの出張中に交通事故に遭い、出向先らに安全配慮義務違反の損害賠償を求めた。車を手配したのは、出向先の従業員(現地の事業会社へ出向中)だった。東京地裁は、具体的な危険が存在することは予見困難と請求を斥けた。直近の事故の統計や分析のみでは同国内の交通事情を推認することは困難など、同義務違反を怠ったとはいえないと……[続きを読む]

2021.07.15 【判決日:2020.02.27】
野村不動産アーバンネット事件(東京地判令2・2・27) 営業の歩合廃止して固定給増額、不利益変更か 賃金1割減でも合理性あり
ジャンル:
  • 就業規則の不利益変更
  • 賃金・賞与

 不動産売買等の手数料に連動する営業成績給の廃止は不利益変更で無効として、営業マンが支払いを求めた。会社は、賃金の総原資は減少させず月例賃金に振り分けるとしていた。東京地裁は、廃止から半年間の原告の賃金総額は1割以上減り不利益の程度は小さくないが、役割次第で増額し不利益は固定されないと判断。従業員の定着率を上げるため、安定的な給与制度とし……[続きを読む]

2021.03.11 【判決日:2020.02.24】
O・S・I事件(東京地判令2・2・4) 2週間出勤しなかったと就業規則の自然退職に 「行方不明」とはいえず無効
ジャンル:
  • 退職

 14日以上連絡が取れず行方不明として、就業規則の自然退職扱いされた従業員が地位確認を求めた。東京地裁は、懲戒解雇事由と別個に設けられた自然退職の趣旨を「出勤を命じたり、解雇の通知や意思表示をする通常の手段が全くない」場合に備えたものと判断。従業員からは休職申出のメールが送信されるなど会社が解雇等の意思表示をすることも不可能といえず、退職……[続きを読む]

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