判決年月2004年3月の労働判例

2005.03.14 【判決日:2004.03.09】
千代田学園事件(東京地判平16・3・9) 併存労組の一方の組合三役が整理解雇対象者に 人選基準は“機能不全”状態
ジャンル:
  • 整理解雇
  • 解雇

 複数労組が併存する学校法人が経営難から整理解雇を実施するに当たり、一方労組の三役を対象者としたことは組合差別に相当し、解雇は無効と訴えられたケース。組合間のバランスを考慮したとの経営側主張に対し、合理化に協力的な労組の温存を図るため人選基準を恣意的に利用したと認定している。 使用者の恣意認定 組合間差別に相当 筆者:弁護士 渡部 邦昭(……[続きを読む]

2005.02.28 【判決日:2004.03.26】
独立行政法人N事件(東京地判平16・3・26) 単純作業での復職認めず、期間の満了で解雇に 将来も職務遂行の保証なし
ジャンル:
  • 休職
  • 休職の終了・満了
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 私病休職者が主治医による復職可との診断書を提出したが、通常の勤務ができない状態と判断し、休職期間満了により解雇した事案で、判決では、復職可否の基準は、本来の職務について検討するべきとし、軽易な作業を続けても十分な職務を遂行できる保障はないと判断、解雇権の濫用にはならないとした。 復帰可否の判断は本来業務を基準に 筆者:弁護士 加茂 善仁……[続きを読む]

2004.12.06 【判決日:2004.03.11】
ケイズ事件(大阪地判平16・3・11) 使用期間中にクビにしたら慰謝料請求された… 解雇に正当理由ないと認容
ジャンル:
  • 労働契約
  • 試用期間

 配偶者が同業他社に勤務していること、作業に習熟しないなどを理由に、試用期間中に解雇された女性が慰謝料を請求したもので、通常より広い解雇の自由が認められるとしつつも、客観的に合理的な理由や社会通念上相当と是認される場合に当たらないと認定、請求額から減額した慰謝料支払いを命じた。 解約権留保付でも 金額は3割に減額 筆者:弁護士 石井 妙子……[続きを読む]

2004.11.29 【判決日:2004.03.12】
ジェイアール西日本メンテック事件(大阪地判平16・3・12) 半年契約のパートを雇止めしたがその効力は 更新の期待に合理性なし
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 雇用期間半年でホテルの食器洗浄作業に従事していたパートが、期間満了による雇止めに理由がないとして提訴したもので、業務量が変動する単純作業で、雇用契約書の作成、短期間の雇用期間、雇止めのケースが多数あることなどを認定のうえ、期間満了により労働契約は終了したとし、請求を棄却した。 期間の満了で終了 解雇法理適用せず 筆者:弁護士 渡部 邦彦……[続きを読む]

2004.08.09 【判決日:2004.03.19】
新潟鐵工所管財人事件(東京地判平16・3・19) 退職金の8割減額は不当と更生管財人を訴える 破産回避策で合理的な内容
ジャンル:
  • 賃金
  • 退職金

 会社更生手続きで選任された更生管財人が退職金の支給率を8割減額する就業規則の改正を行い支給したところ、これに不満の元従業員が旧就業規則による支払いを求めたが、破産という最悪の状況を回避する高度の必要性から改正したもので、変更内容に合理性があり、手続きも相当として請求を棄却した。 高度の必要性あり 変更手続も相当と 筆者:弁護士 渡部 邦……[続きを読む]

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