千代田学園事件(東京地判平16・3・9) 併存労組の一方の組合三役が整理解雇対象者に 人選基準は“機能不全”状態

2005.03.14 【判決日:2004.03.09】
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 複数労組が併存する学校法人が経営難から整理解雇を実施するに当たり、一方労組の三役を対象者としたことは組合差別に相当し、解雇は無効と訴えられたケース。組合間のバランスを考慮したとの経営側主張に対し、合理化に協力的な労組の温存を図るため人選基準を恣意的に利用したと認定している。

使用者の恣意認定 組合間差別に相当

筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)

事案の概要

 学園(千代田学園)は、千代田工科芸術専門学校、千代田海洋科学ビジネス専門学校を経営する学校法人で、教科書等の製作、販売を目的とした㈱ユニバーサルコミュニケーションズ(UCN)も設立。学園には千代田学園第一教職員組合(本件組合)と全国一般千代田学園労働組合(全国一般)がある。

 学園は平成14年1~2月の間、2回にわたり希望退職者を募集、3月までに職員6人が退職したが、3月4日ないし6日、各部署毎の削減対象者を示した。人員削減対象は、両組合間でさして格差はなかったが、本件組合の三役(執行委員長C、副執行委員長、書記長A)が削減対象とされたのに対し、全国一般の三役は全員が残留とされた。学園は平成14年4月26日付で、A、B、Cを含む常勤職員16人に対し整理解雇として解雇(本件解雇)を告知した。

 A、B、Cへの書面には人選基準として「①各部署の責任者は残留、②年齢の若い教職員は優先的に残留、③授業時間週20時間未満の教員は常勤から外れる、④上記基準にて選定を完了できない場合は業務習熟度を考慮し決定、⑤担当業務がUCNに移管した場合は、解雇の上、UCNに就職、UCNと学内業務を兼務する場合は学園からUCNに出向」と記載されていた。…

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平成17年3月14日第2528号14面 掲載

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