判決年月2015年10月の労働判例

2016.08.08 【判決日:2015.10.30】
L産業(職務等級降級)事件(東京地判平27・10・30) プロジェクト解散で降級、管理職の地位と賃金請求 減収生じる職務変更有効に
ジャンル:
  • 昇給昇格・降格

 新薬開発のプロジェクト解散による職務変更で、一般職へ降級された元リーダーが、管理職の地位確認等を求めた。東京地裁は最高裁判決を踏襲し、配転降格が人事権濫用に当たるか判断。同等級で配転可能な職務はなくポスト新設も裁量に委ねられること、年60万円弱の減額は年収の約6%で少なくないが、不利益は甘受すべき程度を超えるとはいい難いとして請求を斥け……[続きを読む]

2016.07.25 【判決日:2015.10.22】
国・広島中央労基署長事件(広島高判平27・10・22) 仕事与えられずうつ病再発、労災不支給の取消請求 心理的な負荷強く業務災害
ジャンル:
  • 労災
  • 業務上・外認定

 うつ病休職から復帰後、再発したのは仕事を与えられないなどパワハラが原因として、労災不支給処分の取消しを求めた。広島高裁は、本人の態度を理由に一方的に作業場所への入室を禁じ、3カ月間日報の整理以外担当させず、劣等感や恥辱感を与えたもので心理的負荷は強度と判断。発症との相当因果関係を認めた。配置の裁量権を逸脱しパワハラに該当し得るとした。……[続きを読む]

2016.07.11 【判決日:2015.10.02】
全国重症心身障害児(者)を守る会事件(東京地判平27・10・2) 育児で勤務2時間短縮、昇給抑えられたと差額請求 時短理由の不利益な取扱い
ジャンル:
  • 均等待遇
  • 女性
  • 昇給昇格・降格

 看護師が育児短時間勤務で昇給を抑制されたとして、本来の号給にあることの確認等を求めた。業績評価に基づく昇給号俸に、短縮後の所定労働時間である8分の6を乗じたもので、東京地裁はノーワークノーペイの適用のほかに本来与えるべき昇給利益を十分に与えず、育介法の禁止する不利益取扱いと判断。ただし昇給自体無効ではなく、損害賠償金として差額を認めた。……[続きを読む]

2016.06.20 【判決日:2015.10.30】
甲社事件(東京地判平27・10・30) 派遣元移り同職場で就労、くら替え社員に賠償請求 3年の競業避止長すぎ無効
ジャンル:
  • 派遣

 派遣会社が、競業する派遣会社に転職した元従業員に対し競業避止規定に反するとして損害賠償を求めた。転職後も同じ派遣先で就労しており引き抜きの有無も争った。東京地裁は、1年勤務したに過ぎず3年の競業避止は長いこと、割増賃金も未払いだったことから、転職の禁止に合理性はなく公序良俗に反し無効と判断。転職先や派遣先との共謀も認められないとした。……[続きを読む]

2016.06.06 【判決日:2015.10.22】
穂波事件(岐阜地判平27・10・22) 店長が割増請求、時間外見合いの手当支給で合意? 83時間の固定残業代は無効
ジャンル:
  • 割増賃金
  • 賃金

 飲食店店長が労基法の管理監督者ではないとして割増賃金を求めた。月83時間相当の固定残業代10万円を手当で支給する旨記載した書面に署名押印があるが、岐阜地裁は、経営者と一体的立場とはいえず名ばかり管理職としたうえで、限度である45時間の2倍近いことから公序良俗に反し、合意を無効と判断。手当は残業対価とはいえず割増計算基礎に算入すべきとした……[続きを読む]

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