判決年月2008年7月の労働判例

2009.09.14 【判決日:2008.07.31】
H工務店事件(大阪高裁平20・7・30) 一人親方が転落、元請に安配義務なしの判断は 請負的でも使用従属関係に
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  • 労働者性
  • 労災

 工務店から住宅建築を請け負った大工歴30年の一人親方が、転落事故で負傷し、安全配慮義務違反に基づく損害賠償を求めたが、個人事業主であることを理由に棄却されたため控訴した。大阪高裁は請負契約の色彩が強いものの、元請が管理する現場で指示・命令に従ったこと等、実質的な使用従属関係にあったと判示したが、落下には道具選択と技量に誤りがあり8割を過……[続きを読む]

2009.06.22 【判決日:2008.07.09】
京都市女性協会事件(京都地裁平20・7・9) 元嘱託が一般職と同一労働理由に賃金差額請求 同視すべき特段の事情ない
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  • 均等待遇
  • 女性

 女性協会に嘱託雇用された相談業務を行っていた女性が退職後に、一般職員との処遇格差は憲法等に反するとして、差額賃金相当額の損害賠償等を請求した。京都地裁は、質の高い労務の提供を認めたが、一般社員と責任の度合いが異なること、世間の給与水準と比較してどの程度区別すれば適当か具体的事実がなく、一般職員と同視すべき特段の事情は認められないとし、訴……[続きを読む]

2009.04.27 【判決日:2008.07.01】
みずほトラストシステムズ事件(東京高判平20・7・1) 入社半年のSEがうつ病自殺し遺族が賠償請求 心の脆弱性は認識し得ない
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  • 労災
  • 安全配慮義務

 新卒SEが入社半年でうつ病自殺したのは、研修が不十分にもかかわらず専門部署へ配属したためとして、遺族が安全配慮義務違反等から損害賠償請求したが、棄却されたため控訴した。東京高裁は、一審同様に客観的にみて業務過重とはいえず、発症増悪の原因は「心の脆弱性」にあり、入社後の言動から会社は認識し得なかったとして、因果関係を否定して請求を斥けた。……[続きを読む]

2009.03.16 【判決日:2008.07.01】
前田道路事件(松山地判平20・7・1) 不正経理の叱責受け自殺、「是正指導」が原因か 行き過ぎた注意が引き金に
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  • 労災
  • 安全配慮義務

 道路工事会社の営業所長が自殺したのは、上司からの執拗な叱責によりうつ病を発症・増悪させたためとして、遺族が安全配慮義務違反等に基づく損害賠償を請求した。松山地裁は、上司の叱責は社会通念上許される範疇を超え、死亡との因果関係を認める一方、その発端は所長自身の不正経理であること等を指摘し、過失割合は6割を下らないとして、請求の4割にとどめた……[続きを読む]

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