判決年月2009年10月の労働判例

2011.05.30 【判決日:2009.10.08】
松本市現場作業員懲戒免職事件(東京高判平21・10・8) 市職員が休日の酒気帯び運転で検挙され懲戒免職に 処分は社会通念に反しない
ジャンル:
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 飲酒行為

 市職員が休日に酒気帯び運転で検挙され懲戒免職となったため取消しを求めた事案の控訴審。東京高裁は、一審同様、飲酒濃度に加え、住宅街を運転するなど危険性が低いとはいえないこと、社会的非難の高まりを受けて厳罰で臨むことを周知しており、処分が社会通念に反するとはいえないこと等から、事故は伴わなくても裁量権の逸脱、濫用はないとして請求を棄却した。……[続きを読む]

2011.03.07 【判決日:2009.10.21】
ライドウェーブコンサルティングほか事件(東京高判平21・10・21) 競業行為に損害賠償請求、解雇日までの年休は拒否 受注機会喪失とはいえない
ジャンル:
  • 労働契約上の権利義務
  • 年休
  • 競業避止義務

 コンサル会社が、競業行為を理由に解雇した元従業員へ損害賠償を請求し、元従業員は解雇日までの年休賃金などを求めた。東京高裁は一審を踏襲し、競業と受注機会喪失との因果関係を否定して賠償請求の一部を棄却。一方、年休請求について、業務引継ぎが不可欠で事業の正常な運営を妨げるとして時季変更権を認めたほか、解雇には帰責事由があり予告手当は不要とした……[続きを読む]

2010.05.24 【判決日:2009.10.29】
早稲田大学(年金減額)事件(東京高判平21・10・29) 同意得ず教職員退職年金を減額、一審無効としたが 従来の給付水準では破綻も
ジャンル:
  • 賃金
  • 退職年金

 早稲田大学が勤続20年以上の退職者等に支給する年金を減額したため、受給者約160人が無効を求めた。請求を認めた一審に対して東京高裁は、給付総額が収入総額を上回り、不況の長期化から運用益も確保できず、基金の運営は不安定であり従来の給付水準では破綻も予想されると判示。3分の2を超える受給者が同意していることも踏まえて年金減額は有効とした。……[続きを読む]

2010.05.17 【判決日:2009.10.15】
東京都・都教委事件(東京高判平21・10・15) 国歌斉唱しない教諭を戒告、再雇用拒否は重すぎ? 職務命令に反し不採用妥当
ジャンル:
  • 定年・再雇用
  • 退職

 国歌斉唱に起立せず戒告処分を受けた教諭が、都教委から定年後再雇用の採用選考を不合格とされたため、取消しを求めた。一審は、不合格となるほどの非違行為と評価することは不合理としたが、東京高裁は、不起立を影響力の大きい重い非違行為に当たると判示。通達に基づく職務命令違反を軽視することは相当ではなく、裁量権の逸脱濫用はないとして請求を棄却した。……[続きを読む]

2010.04.05 【判決日:2009.10.28】
バイエル薬品ほか事件(東京高判平21・10・28) 退職年金を廃止し一時金へ変更、一審無効としたが 制度改廃条項に照らし有効
ジャンル:
  • 賃金
  • 退職年金

 会社分割で退職年金支給債務を負う承継先が、年金を廃止し一時金としたため退職者が無効を求めた。一審は請求を認めたが東京高裁は、経済情勢の変化等に応じた「改廃条項」は合理性があり、年金が将来の経営圧迫要因になり得るとして廃止の必要性を認定。代償の一時金は、年金総額と計算上は等価に等しく、変更に多数の受給者の同意もあるとして一審を取り消した。……[続きを読む]

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