東京都・都教委事件(東京高判平21・10・15) 国歌斉唱しない教諭を戒告、再雇用拒否は重すぎ? 職務命令に反し不採用妥当

2010.05.17 【判決日:2009.10.15】
  • TL
  • ツイート
  • シェア
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

  • コメント

 国歌斉唱に起立せず戒告処分を受けた教諭が、都教委から定年後再雇用の採用選考を不合格とされたため、取消しを求めた。一審は、不合格となるほどの非違行為と評価することは不合理としたが、東京高裁は、不起立を影響力の大きい重い非違行為に当たると判示。通達に基づく職務命令違反を軽視することは相当ではなく、裁量権の逸脱濫用はないとして請求を棄却した。

非違行為の影響大 広範な裁量権あり

筆者:弁護士 牛嶋 勉(経営法曹会議)

事案の概要

 本件は、平成19年3月31日に東京都立高等学校教諭の職を定年退職した一審原告Xが、再雇用職員および再任用職員の採用選考において不合格とされたことにつき、一審被告東京都(都教委)の裁量権逸脱・濫用に該当すると主張して、不合格処分の取消しまたは無効確認、再雇用職員または再任用職員として採用せよとの義務付け、および国家賠償法に基づく損害賠償を求めた事案である。

 都教委は、定年退職等によりいったん退職した教職員等を特別職の非常勤職員(嘱託員)として新たに任用し、再雇用する制度を実施している。また、東京都は、定年退職等によりいったん退職した者を、従前の勤務実績に基づく選考により、1年を超えない範囲内で再任用する制度を実施している。

 平成15年10月、教育庁は、都立高等学校長らに対し、「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達)」を発し、同通達以降、起立斉唱を命じる職務命令が発令されるようになり、職務命令に違反した不起立は懲戒処分の対象とされるようになった。

 Xは、平成16年3月、所属するA高校の校長から、口頭および書面で、卒業式の国歌斉唱の際は国旗に向かって起立し国歌を斉唱することを命じられた(本件職務命令)。

 Xは、卒業式の国歌斉唱の際、本件職務命令に違反して起立せず、同月、都教委から戒告処分を受け、服務事故再発防止研修を受講した。

 Xは、…

この記事の全文は、労働新聞電子版会員様のみご覧いただけます。

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

ジャンル:
平成22年5月17日第2776号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ