『退職』の労働判例

2024.02.15 【判決日:2023.03.29】
栃木県事件(宇都宮地判令5・3・29) 双極性障害で傷病休暇中に出した退職願有効? 辞職承認した処分取り消す
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 双極性感情障害による傷病休暇中に提出した退職願は無効として、職員が辞職承認処分の取消しを求めた。宇都宮地裁は、休暇中の面談で部長らは休みが長期化する懸念に加え、復職の困難性と退職の選択肢を示唆し、職員はうつ状態の悪化も相まって適切な判断は困難だったと判示。職員は復職を希望していたが、熟慮できないまま退職願を提出し、「自由な意思」といえず……[続きを読む]

2024.01.11 【判決日:2021.10.27】
ツキネコ事件(東京地判令3・10・27) 私傷病休職明けに配転拒否、欠勤を続けて解雇 原職以外への復職命令有効
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 精神疾患による休職から復職する際、配転を拒み解雇された開発部長が、地位確認等を求めた。東京地裁は、元の職場は避けた方が良いとした主治医の意見や、厚労省の手引きは原職復帰に限定していないことから、製造班への配転命令に違法性はなく、無断欠勤による解雇を有効とした。休職中のリハビリ作業は債務の本旨に従った労務提供といえず、無給に合意していたと……[続きを読む]

2023.09.07 【判決日:2023.07.20】
名古屋自動車学校事件(最一小判令5・7・20) 定年時の6割下回る賃金、最高裁はどう判断!? 正職員基本給と性質異なる ★
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 再雇用された嘱託職員の基本給等が定年時を下回ったことが不合理か争われた事案で、最高裁は、定年時の6割を下回る部分を不合理とした原審を破棄。正職員の基本給は勤続給や職務給、職能給の性質も有する余地があるが、嘱託の基本給は正社員と異なる性質や支給目的を有するとした。原審は賃金に関する労使交渉の経緯も含めて考慮しておらず、審理のため差し戻した……[続きを読む]

2023.02.16 【判決日:2022.07.20】
ヤマサン食品工業事件(富山地判令4・7・20) 60歳から嘱託と合意したが懲戒理由に取り消す 定年後再雇用の期待認める
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 定年後の労働条件を合意した後に懲戒処分を受けた従業員が、再雇用を拒否されたため地位確認を求めた。富山地裁は、高年法の指針に基づき継続雇用しないことができる解雇事由に該当せず、再雇用の期待は合理的と判断。懲戒事由を理由とした不法行為の成立は否定した。合意の内容で契約が成立し、年金の支給が開始される64歳までの更新期待は極めて高いとしている……[続きを読む]

2022.10.06 【判決日:2022.03.08】
A病院事件(札幌高判令4・3・8) 退職願は未提出、口頭の辞意表明撤回できるか 一審を覆して合意解約成立
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 退職願を提出せず口頭での退職申出は撤回したなどとして、未払賃金等を求めた事案。一審は確定的な退職の意思表示とはいえないとしたが、二審の札幌高裁は事務部長との面談で退職日を決定した後の撤回は効力がないとした。退職願を提出するよう就業規則に規定していたが、個別の合意が優先するとしている。同部長が退職するなら懲戒処分しないと告げたが強迫したと……[続きを読む]

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