名古屋自動車学校事件(名古屋地判令2・10・28) 定年後も教習指導員、「同一労働」で賃金減は? 基本給6割下回る部分違法

2021.04.08 【判決日:2020.10.28】
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 18万円の基本給部分を定年後8万円に引き下げられた教習指導員が、不合理として損害賠償等を求めた。定年前後で職務内容等に相違はなかった。名古屋地裁は、定年時の基本給の6割を下回る部分を違法と判示。賃金センサス上の平均賃金や若年正職員の基本給を下回り、労使自治が反映された結果でもないとした。基本給がベースの賞与(一時金)も差額支払いを命じる。

若年職員より低い 労使自治反映せず

筆者:弁護士 緒方 彰人(経営法曹会議)

事案の概要

 被告は自動車学校の経営等を行っている会社である。原告らは、被告にて教習指導員(正職員)(無期契約労働者)として勤務していた。

 原告らは、定年(60歳)退職後、被告の継続雇用制度に基づき嘱託職員(有期契約労働者)となり、引き続き教習指導員として勤務したが、主任職を退任したほか、定年前後で、職務内容や配置の変更の範囲に相違はなかった。原告らの定年退職時の基本給は月額18万円または16万円であったが、嘱託社員時の基本給は8万円または7万円(定年退職時と比較して45%以下または48.8%以下)であり、若年正職員(勤続年数1~5年)の基本給平均額(月額11万~12万円)を下回っていた。原告らの嘱託社員時の総支給額(一時金を除く)は正職員定年退職時の労働条件で就労した場合の56~63%にとどまった。また正職員には基本給に正職員一律の調整率を乗じ、勤務評定分を加算した額の賞与(夏季・年末)が支給されるが、嘱託社員には嘱託社員一時金が支給される。原告らは4万~10万円であったが、定年退職時の基本給の60%の金額に正職員一律の調整率を乗じた金額(13万~17万円)に満たない。

 原告は、正職員定年退職時と嘱託職員時の基本給等の相違について旧労契法20条に違反するとして、被告に対し不法行為に基づく損害賠償金等の支払いを求めた。

判決のポイント

 ①原告らの正職員定年退職時の賃金は、…

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令和3年4月19日第3301号14面 掲載

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