判決年月2017年9月の労働判例

2018.10.25 【判決日:2017.09.26】
南海バス事件(大阪高判平29・9・26) 路線バス終着から出発までは“待機”と割増請求 乗客対応の義務なく休憩中
ジャンル:
  • 割増賃金
  • 労働時間
  • 手待時間
  • 賃金

 路線バス運転手が、ターミナル到着から出発までを「待機時間」として割増賃金を求めた訴訟の控訴審。会社はその間6分間のみ労働時間としていた。大阪高裁は、バスの移動や忘れ物の確認、清掃は6分間で可能で、残り時間を休憩と認定。車から離れることもでき乗客対応も義務とまではいえないとした。休憩中の実作業は申告する取決めだったが申告やその事実もなかっ……[続きを読む]

2018.09.06 【判決日:2017.09.06】
医療法人K会事件(広島高判平29・9・6) 看護学校の修学費を貸与、6年勤務せず返せ!? 返還免除 3年超える条件無効
ジャンル:
  • 労働契約
  • 賠償予定

 看護学校在学中の「貸与金」の返還が免除される6年勤務していないとして、病院が退職した看護師らに約250万円の返還を求めた。広島高裁は、労基法の労働契約期間の上限を基準に返還免除まで3年を超えるか否かを重視。貸与金の実質は一部生活費であり、取得後4年超の勤務を考慮せず返還額は基本給の10倍に及ぶなど、退職を不当に制限する賠償予定で違法とし……[続きを読む]

2018.08.02 【判決日:2017.09.21】
医療法人社団X事件(東京高判平29・9・21) 業務上災害で保険料増額、処分取消しを求める 労災認定違法の主張認めず
ジャンル:
  • 労災

 勤務医が労災認定された病院が、労災保険料の増額取消しを求めた行政訴訟。労災認定の違法性を争えるかが争点となった。東京高裁は、メリット制の対象事業主につき原告適格を有し、訴えの利益を認めたものの、結論として支給処分の違法性の主張は許されないとした。支給処分の早期安定を犠牲にしてまで、事業者の手続的保障を図る特段の事情は認められないとした。……[続きを読む]

2018.06.07 【判決日:2017.09.14】
サンフリード事件(長崎地判平29・9・14) 手当を未払割増賃金に組み替える制度変更は? 固定残業代導入の同意認めず
ジャンル:
  • 割増賃金
  • 就業規則の不利益変更
  • 賃金
  • 賃金・賞与

 外勤手当などを固定残業代に置き換える就業規則変更の効力を争った。労基署から残業代未払いの指導を受けて制度を見直したもの。長崎地裁は、過半数代表者の選出手続きは行われず、代表者の意見書から条件変更に同意した事実を推認できないとした。就業規則の合理性に関しては、残業代として支給する額や対応する時間数を明示しておらず不利益変更を無効とした。……[続きを読む]

2018.05.24 【判決日:2017.09.25】
国立大学法人O大学事件(大阪地判平29・9・25) 傷害致死で懲役8年の判決、労務困難とクビに 起訴休職満了の解雇は有効
ジャンル:
  • 休職
  • 休職の終了・満了
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 職務外非行

 実母に対する傷害致死の容疑で逮捕・起訴された助教が、2年間の起訴休職期間の満了による解雇は無効と訴えた。大阪地裁は、懲役8年の判決で労務提供できない状態が続く見込みで、解雇事由の「雇用関係を維持しがたい場合」に当たると判断。休職満了までに判決が破棄される等新たな事情が生じた証拠もないとした。2年間の上限も、不当に短いとはいい難いとした。……[続きを読む]

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