看護学校の修学費を貸与、6年勤務せず返せ!? 返還免除 3年超える条件無効 医療法人K会事件(広島高判平29・9・6)

2018.09.06 【判決日:2017.09.06】

 看護学校在学中の「貸与金」の返還が免除される6年勤務していないとして、病院が退職した看護師らに約250万円の返還を求めた。広島高裁は、労基法の労働契約期間の上限を基準に返還免除まで3年を超えるか否かを重視。貸与金の実質は一部生活費であり、取得後4年超の勤務を考慮せず返還額は基本給の10倍に及ぶなど、退職を不当に制限する賠償予定で違法とした。

賠償予定で法違反 基本給の10倍相当

筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)

事案の概要

 甲は、病床数180床の精神科を中心とする病院を運営している医療法人である。

 労働者Aは、平成17年4月1日甲に雇用され、同日から看護補助として、19年4月1日~22年3月31日までは准看護師として、同年4月1日からは正看護師として勤務し、26年8月20日、退職した。

 甲はAに対し①准看護学校在学中の修学資金等(略)を期限の定めなく貸し付け(本件貸付①)、さらに、②看護学校在学中の修学資金等として、19年4月26日~22年3月27日まで合計108万円を期限の定めなく貸し付けた(本件貸付②)として、金銭消費貸借契約に基づき、本件貸付①の残元金145万7793円および本件貸付②の元金108万円の合計253万7793円等の返還を求めた。

 甲は、平成13年4月1日以降、無利息で修学資金を貸し付ける旨の修学資金貸付規定を設け、以下の条項がある。…

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掲載 : 労働新聞 平成30年9月10日第3176号14面

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