判決年月2007年10月の労働判例

2009.07.13 【判決日:2007.10.26】
第一交通産業事件(大阪高判平19・10・26) 子会社廃業で系列会社に雇用義務認めた判断は 偽装解散 親会社こそ責任を負う
ジャンル:
  • 労働契約
  • 承継

 タクシー会社の解散に伴い、営業地域の承継先が雇用契約上の責任を負うとした原審を不服として、原・被告双方が控訴した。大阪高裁は、子会社を実質的に支配したのは親会社で、労組排斥が目的の偽装解散であり、一審で否定した親会社への雇用契約上の責任追及は法人格濫用の要件を満たせば可能とし、逆に営業地域承継先にまで同法理を適用する必要性はないとした。……[続きを読む]

2009.02.02 【判決日:2007.10.30】
協和出版販売事件(東京高判平19・10・30) 定年延長措置で旧年齢から嘱託に、不当と提訴 不利益変更には当たらない
ジャンル:
  • 定年制
  • 就業規則の不利益変更

 改正高年法の施行で55歳から定年を延長したが60歳まで嘱託となった9人が、賃金減額を伴う就業規則の変更は不利益変更であると差額を請求した。東京高裁は、新就業規則の内容は私法秩序に適合しており必要最小限度の合理性があると判示。改正が既得権を奪い、不利益を課すものとはいえない以上、内容が合理的か否かで法的効力を判断するのは相当でないとした。……[続きを読む]

2008.11.10 【判決日:2007.10.11】
さいたま労基署長(日研化学)事件(東京高判平19・10・11) うつ病自殺に労災不支給、一審は業務上と認定 趣味の株取引失敗が主要因
ジャンル:
  • 労災
  • 業務上・外認定

 うつ病で自殺した医薬品会社の品質管理責任者の妻が、過労の蓄積によるとして労災申請したが不支給となり、労保審査官も不支給としたため決定の取消しを求めた。一審はトラブル対応等の状況を評価し、業務起因性を認めたため行政側が控訴。東京高裁は、紛争処理は3~4日に1度の実態等から強度の心理的負荷を伴わないとし、逆に趣味の株取引で被った損害が発症要……[続きを読む]

2008.08.11 【判決日:2007.10.30】
Yタクシー会社(雇止め)事件(京都地決平19・10・30) 労組の統制処分理由に再雇用の期間満了扱いは 裁量を逸脱した制裁で無効
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

  60歳到達後に嘱託再雇用されたタクシー運転者が、営業所の不正行為を告発したところ、労組の統制処分を受け、これに基づき会社から雇止めされたため、労働契約上の地位の確認を求めた。京都地裁は、当該事実をもって労組が処分を行うことは著しく妥当性を欠き、裁量権を逸脱した無効なもので、使用者には雇止めの義務は生じないと判示し、解雇法理を類推適用し……[続きを読む]

2008.05.26 【判決日:2007.10.19】
NTTグループ企業(年金規約不承認処分)事件(東京地判平19・10・19) 規約型年金の減額変更を認めない行政判断は? 経営悪化の要件備えず適切
ジャンル:
  • 賃金
  • 退職年金

 確定給付企業年金法に基づき、規約型企業年金の給付額減額などを内容とする変更申請に対し、不承認とした行政処分の取消しをNTTグループ企業が求めた。東京地裁は、法定要件である「経営の悪化」「掛金の困難性」を満たさないとの行政判断について、継続的に利益を計上しており、業績予想と比較しても、掛金拠出が困難になる経営の悪化は認められないと判示、請……[続きを読む]

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