国・中労委(新国立劇場)事件(東京高判平21・3・25) 合唱団員の契約打切りを巡る団交拒否は正当か 労組法の労働者に該当せず

2009.10.26 【判決日:2009.03.25】
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 劇場と1年の基本契約を結ぶオペラ歌手の契約打切りに関する団交拒否について、一審が労委の応諾命令を取り消したため国と労組が控訴した。東京高裁は、基本契約だけでは報酬がなく、公演ごとの「出演契約」は合唱団員に諾否の自由があり、歌唱パートを決める等の労働力配置に劇場側の裁量がないなど、法的な指揮命令・支配監督関係は希薄であるとして労働者性を否定した。

指揮命令 希薄な関係に 配置する裁量なし

筆者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議 東京大学法科大学院客員教授)

事案の概要

 ユニオンは、新国立劇場運営財団が①ユニオンの会員であるGを新国立劇場合唱団の契約メンバーに合格させなかったこと、②ユニオンからGの次期シーズンの契約に関する団体交渉を申し入れられたにもかかわらずこれに応じなかったことが、いずれも不当労働行為であるとして救済申立てをしたところ、東京都労働委員会は、上記①については、不当労働行為に該当しないとしてその申立てを棄却し、②については、不当労働行為に該当するとして、団体交渉に応じるべきことおよびこれに関する文書の交付等を財団に対して命じた。ユニオンは申立棄却部分、財団は救済を命じた部分について、それぞれ再審査を申し立てたが、中央労働委員会は双方の申立てを棄却した。

 そこで、財団とユニオンがそれぞれ行政訴訟を提起し、第一審東京地裁(平20・7・31)は、新国立劇場のオペラ合唱団員である契約メンバーは、基本契約を締結するだけでは個別公演の出演義務を負っていない以上、個別公演の業務遂行日時、場所、方法等の指揮監督は及ばず、基本契約を締結しただけでは報酬の支払いはなく、予定された公演以外の出演を事実上であっても求められることはないなど指揮命令、支配監督関係は希薄であるとの理由から、契約メンバーに選抜されなかった前オペラ合唱団員Gの労組法上の労働者性を否定し、従って団交拒否を不当労働行為でないとして当該中労委の命令を取り消し、ユニオンの請求を棄却したため、国(中労委)とユニオンが東京高裁に控訴したものである。…

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平成21年10月26日第2750号14面 掲載

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