『労働者』の労働判例

2023.02.24 【判決日:2022.03.28】
東京芸術大学事件(東京地判令4・3・28) 約20年契約更新した非常勤講師を雇止め有効か 労契法上の労働者性認めず
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  • 労働者
  • 労基法の基本原則
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 有期労働契約を更新されず雇止めされたとして、非常勤講師が地位確認を求めた。委嘱契約を約20年間更新されていた。東京地裁は、労働契約法の労働者に該当しないとして請求を退けた。授業内容の策定等の指揮命令を受けず、遅刻早退の賃金控除や保険料の徴収もなかったほか、大学の本来的業務に不可欠な労動力として組み込まれていなかったことも考慮している。……[続きを読む]

2022.09.22 【判決日:2022.02.25】
ベルコ(労働契約申込みみなし)事件(札幌地判令4・2・25) 葬儀会社の代理店従業員、委託元と雇用関係? 無許可派遣で「みなし」対象
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  • 労働者
  • 労基法の基本原則
  • 派遣

 冠婚葬祭業務を請け負う代理店の従業員が、委託元に対し未払賃金等を求めた。札幌地裁は、自己の労働者を自ら直接利用するか、請け負った業務を独立して処理するかのいずれにも該当する場合を除き、派遣に当たると判示。指揮命令関係から無許可派遣と判断した。委託元とは雇用関係がないとの書面を提出させ、労働契約申込みみなしの権利行使を妨げたとして慰謝料を……[続きを読む]

2022.07.14 【判決日:2021.09.07】
Hプロジェクト事件(東京地判令3・9・7) “アイドルは労働者”として未払最低賃金求める タレント活動に諾否の自由
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  • 労働者
  • 労基法の基本原則

 農業活性化を図るため結成されたグループのアイドルの労働者性を争った事案。最低賃金法の適用に関して、東京地裁は、販売応援など各タレント活動を行うか否かの「諾否の自由」を有しており、労働者性を否定。イベント参加を促す発言は認められるが、参加の自由を制約するとまではいえないとした。報酬は収益の一部を分配するもので、労務の対償としての性質は弱い……[続きを読む]

2022.06.02 【判決日:2020.11.24】
ロジクエスト事件(東京地判令2・11・24) 社名入り制服やカートを使用し労働者性あり!? 配送業務は委託契約に該当
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  • 労働者
  • 労基法の基本原則

 配送業務の委託契約を解除された者が、実態は「労働者」であり解雇無効と訴えた。社名入りの制服やキャリーカートを使用していた。東京地裁は、制服着用等の目的は円滑な業務遂行であり、労働者性を基礎付けるものとはいえないと判断。受注するか諾否の自由があり、基本的な業務遂行方法も裁量を有するとしている。報酬は配送距離や件数から算出し、時間との結び付……[続きを読む]

2021.02.11 【判決日:2020.09.03】
賃金等請求控訴事件(東京高判令2・9・3) 劇団員の活動は労務提供、賃金命じた一審は? 公演出演も労働時間に該当
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  • 労働者
  • 労基法の基本原則

 劇団員の大道具作成などは労務の提供に当たるとして、一部賃金の支払いを命じた事案の控訴審。公演の出演を「任意」とした一審に対し、東京高裁は、出演の諾否の自由があったとはいえず、指揮命令下の業務であり労働時間とした。出演を断ることは考え難く、仮に断っても劇団の他の業務へ従事するためとしている。長時間労働を強いられたとの主張は斥けた。 “諾否……[続きを読む]

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