ビル代行業(宿直勤務)事件(東京地判平17・2・25) 休憩、仮眠時間は労働時間?警備員が手当請求 仮眠中に役務提供義務ある

2005.11.14 【判決日:2005.02.25】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 宿直勤務を伴う警備業務に従事する従業員が始業時の更衣・朝礼時間、休憩時間、仮眠時間は労働時間と主張し、時間外・深夜割増賃金を請求したケース。東京地裁は外出などが許される休憩時間は非労働時間、朝礼や更衣、仮眠時間中は役務提供などが義務づけられているとして労働時間に認定した。

労働から解放されず 自由利用の休憩除外

筆者:弁護士 加茂 善仁(経営法曹会議)

事案の概要

 原告ら(4人)は、警備業務並びに防災防犯設備の施行管理等を目的とする被告会社において、警備業務に従事しまたは従事していた者である。

 原告らは、警備業務受託先において、原則月13回の宿直勤務を行った。宿直勤務は、24時間の連続勤務であり、勤務表により各人の勤務が割り当てられていたが、宿直勤務日のシフト上の業務内容および休憩・仮眠時間は、①始業時刻・午前9時、②終業時刻・翌日午前9時、③仮眠時間・1宿直勤務につき4時間、④休憩時間・日勤中1時間、深夜時間帯30分であった。

 また、被告会社社員給与規則・職種給細則には、特定勤務手当につき「変形労働時間の適用による勤務において宿泊した場合は、特定勤務手当1日につき2300円を支給する」と規定され、宿直勤務については、この手当が支給された。

 原告らは、宿直日数1日当たり「更衣時間」10分、「朝礼時間」20分、「休憩時間」1時間30分、「仮眠時間」4時間が労働時間であるとして、時間外・深夜割増賃金等の支払を請求した。

判決のポイント

(1)更衣時間・朝礼時間

 労働基準法32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれる時間をいうが、…

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

ジャンル:
平成17年11月14日第2560号14面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。