組合活動の撮影強引に止められ骨折したと賠償請求 自ら転倒し7割を過失相殺 ミトミ事件(大阪地判平27・9・29)

2016.07.04 【判決日:2015.09.29】

 組合員が組合活動を撮影中、静止しようとした社員に転倒させられ骨折したとして加害者や会社に損害賠償を求めた。大阪地裁は、怒声を発して静止を迫り接触がないとも考えにくく、違法な有形力の行使で不法行為と評価。突き飛ばしや足の踏みつけはなく不自然な姿勢で後ずさりして倒れたもので、7割を過失相殺した。静止は事業執行につき行われ使用者責任も認容。

怒声や接触が一因 使用者責任も認容

筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)

事案の概要

 会社は、生コンクリートを製造するものであり、甲は、その会社でミキサー運転手として勤務している者で、連帯労組(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コンクリート支部)の組合員である。

 甲は、平成25年5月25日、同じ会社の従業員で連帯労組の組合員であるAを同行して会社に赴き、会社の敷地前の公道から、Aが会社敷地内に入って就労を求める様子などをビデオカメラで撮影し始めた。甲が撮影を始めて1、2分程度が経過したころ、会社の従業員である乙が公道上に出て、甲に対し、ビデオカメラのレンズを手で遮りながら、甲に身体を寄せるように前進し、撮影をやめるように求めた。後ずさりをしながらなおも撮影を続ける甲に対し、乙は、「オラ、なめとったらあかんぞ」と叫んでさらに身体を甲に接近させたところ、甲は後方に転倒し、右腰背部を路面に打ちつけて負傷し、病院に救急搬送された(肋骨を骨折等)。

 甲は、乙および会社に対し、民法709条(不法行為)および民法715条1項(使用者責任)に基づく損害賠償を求めた。…

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掲載 : 労働新聞 平成28年7月4日第3071号14面

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