正社員募集のはずが“1年契約”雇止め無効と訴える 求人票の内容が労働条件に デイサービスA社事件(京都地判平29・3・30)

2017.10.25 【判決日:2017.03.30】

 求人票の「雇用期間の定めなし」とは異なる「1年契約」の労働条件通知書への署名押印は無効として、採用時64歳の男性が地位確認を求めた。京都地裁は、通知時には就労を開始しており拒否すれば収入が絶たれると考えて署名押印したもので、同意する客観的・合理的理由は認められないとした。契約期間を変更する不利益は重大で、理由説明が不十分としている。

地位確認を認める やむなく署名押印

著者:弁護士 中町 誠(経営法曹会議)

事案の概要

 本件は、被告(障がい児童に対する放課後デイサービス事業を行う会社)に雇用されていた原告が、主位的には、原告と被告との労働契約は期間の定めのないものであったところ、被告がした解雇は無効であると主張し、予備的には、原告と被告との労働契約が期間の定めのあるものであったとしても、被告がした雇止めは無効で、従前の契約が更新されたと主張して、原告が、被告に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認および未払い賃金等を請求した事件である。

判決のポイント

 1、求人票は、求人者が労働条件を明示した上で求職者の雇用契約締結の申込みを誘引するもので、求職者は、当然に求職票記載の労働条件が雇用契約の内容となることを前提に雇用契約締結の申込みをするのであるから、求人票記載の労働条件は、当事者間においてこれと異なる別段の合意をするなどの特段の事情のない限り、雇用契約の内容となると解する。

 原告は、ハローワークで本件求人票を閲覧して被告の面接を受けて採用されたものであるところ、本件求人票には雇用期間の定めはなく、雇用期間の始期は平成26年2月1日とされ、面接でも…求人票と異なる旨の話はないまま、被告は原告に採用を通知し…、本件労働契約は、同日を始期とする期間の定めのない契約として成立したものと認められる。また、定年制については、…

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掲載 : 労働新聞 平成29年10月23日第3133号14面

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