大学訴えた教授を学長が非難、名誉棄損に当たる? 社会的な評価を低下させた 国立大学法人茨城大学事件(水戸地判平26・4・11)

2015.05.04 【判決日:2014.04.11】

 ハラスメント被害の対応が不適切として大学を訴えた教授2人が学長に避難されたことなどから、さらに名誉棄損で訴えた。水戸地裁は、学長は全職員へのメールで恥ずべきと表現し、職員としての不適格性を印象付けたほか、会議の録音禁止前にもかかわらず裁判で記録を提出した教授をモラルと良識に反すると非難したことで、社会的評価が低下したとして賠償を命じた。

文書で「恥ずべき」 良識を欠くと非難

筆者:弁護士 岡芹 健夫(経営法曹会議)

事案の概要

 X1は、昭和54年に国立大学(国立大学法人)Yに奉職し、平成元年に教授となり、平成24年3月に定年退職した。X2は昭和58年にYに奉職し、平成4年に教授となり、平成24年3月に定年退職した。

 X2は平成19年2月15日、①Eを相手方とするハラスメント苦情申立てを行い、7月19日には②EおよびLを相手方とする苦情申立てを行った。X1は7月3日、③Eを相手方とする苦情申立てを行い、同月25日、④Gを相手方とする苦情申立てを行った。

 上記の苦情申立てを受けて、Y大学では調査委員会が設置され、平成20年9月17日付の書面で、①、③、④について、ハラスメントを確認できないと判断したことを通知した。なお、②については、X2が調査委員会による事情聴取等に応じなかった。

 Xらは、平成20年7月28日に、訴外Eに対し同人のハラスメントを理由とする損害賠償請求訴訟を提起し、平成21年6月18日に、Y大学に対し、Eのハラスメントを理由とする損害賠償請求訴訟を提起し、茨城県庁にて記者会見を行った。…

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掲載 : 労働新聞 平成27年5月4日第3015号14面

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