労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1995年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2021.01.28 【判決日:2020.04.15】
東京キタイチ事件(札幌高判令2・4・15) 食品製造中のケガ治ったが復帰先ないと解雇に 「回避努力」を尽くさず無効
ジャンル:
  • 休職
  • 休職の終了・満了
  • 解雇
  • 解雇制限

 食品製造中にケガをした労働者に対し、治ゆ後も従前業務は困難で配置転換も拒否したとして解雇した。配転提案を解雇回避努力として評価した一審に対し、高裁は配転を拒否すれば解雇もある旨の説明がないなど努力を尽くしたとはいえず、治ゆの診断から2カ月後の解雇を無効とした。元従業員は、医師の「復帰の承諾」があったと申告しており、高裁は、会社は申告内容……[続きを読む]

2021.01.21 【判決日:2020.07.20】
日本貨物検数協会事件(名古屋地判令2・7・20) 「違法な偽装請負」で派遣先へ直接雇用申し込む 法の適用免れる目的と認定
ジャンル:
  • 派遣

 港湾貨物を確認する検数業務を請け負っていた会社の労働者らが、違法な偽装請負であるとして派遣先に直接雇用を求めた。名古屋地裁は、偽装請負の状態は約10年間に及ぶなど客観的な事情から、派遣法等の適用を免れるための脱法目的と認定。派遣可能期間を超えて熟練労働者を派遣していた。なお、偽装請負の解消から1年以上経過しており、みなしの効力は認めなか……[続きを読む]

2021.01.14 【判決日:2020.10.13】
大阪医科薬科大学事件(最三小判令2・10・13) バイトへのボーナス不支給めぐり最高裁判断は 賞与なしも不合理ではない
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金

 アルバイトに賞与をまったく支給しないのは不合理とした事案の上告審。最高裁は賞与の支給目的を、業務内容の難度や責任の程度が高い正職員の人材確保や定着としたうえで、登用制度があることも考慮して、高裁判断を覆し請求を斥けた。私傷病で欠勤した正職員への賃金保障は長期勤続の期待に基づくもので、アルバイトは更新の実態から趣旨に合致せず不支給でも不合……[続きを読む]

2021.01.07 【判決日:2020.10.13】
メトロコマース事件(最三小判令2・10・13) 約10年勤務した契約社員に退職金支払い必要か 支給目的は正規の確保定着
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金

 約10年勤続した契約社員に退職金の支払いを命じた高裁判決の上告審。最高裁は、退職金の支給目的は正社員の確保定着であり、相違を不合理ではないとした。両者は職務の内容や配置転換の可能性が異なると認めたうえで、売店業務に従事する正社員の一部は、組織再編により別法人から雇用するなど賃金の変更や配置転換が困難だったことを「その他の事情」として考慮……[続きを読む]

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