労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2023.04.27 【判決日:2022.06.22】
グッドパートナーズ事件(東京地判令4・6・22) 更新確定メール送ったが問題行動ありと雇止め 2カ月更新の取消し認めず
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  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 介護福祉士である派遣労働者が、2カ月で雇止めされ地位確認等を求めた。会社は更新確定のメールを送信したが、その後業務の報告相談を怠ったとして取り消した。東京地裁は、更新に強い期待が認められ、雇止めする合理的理由もないと判断。会社は言動を注意指導せず更新しない事情と捉えていたとはいえない。長期の契約は予定されず2度目以降の更新は認めなかった……[続きを読む]

2023.04.20 【判決日:2022.09.13】
長門市・長門消防局事件(最三小判令4・9・13) 部下への暴行罪で罰金命令、免職処分重すぎ!? 適格性を欠き改善余地なし ★
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  • 処分の量刑
  • 懲戒・懲戒解雇
  • 暴力・暴言

 部下に対する暴行罪で罰金の略式命令を受けた消防士が、分限免職処分を不服として争った事案の上告審。処分を取り消した原審に対し最高裁は、公務員として適格性を欠き、性格は矯正できず改善の余地なしとみることも不合理とはいえないと判示。暴行は消防職員の約半数に5年超繰り返されていた。報復を示唆する言動もあり、組織内に配置して適正な運営は困難とした……[続きを読む]

2023.04.13 【判決日:2022.04.12】
スミヨシ事件(大阪地判令4・4・12) 勤務不良の改善困難、障害者を採用半年で解雇 協調性欠くと評価できない
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  • 職務能力
  • 解雇

 障害等級1級の障害者を採用した鉄道車両の設計工事会社が、約半年後に能力不足や協調性がなく改善の見込みもないなどとして普通解雇した事案。大阪地裁は、解雇通知書の解雇理由はいずれも該当せず地位確認請求を認めた。派遣社員との関係が悪化した原因は双方にあり、言動を複数回注意指導していたが解雇の可能性を指摘して改善を求めてもいなかった。 一方的な……[続きを読む]

2023.04.06 【判決日:2022.07.07】
リバーサイド事件(東京高判令4・7・7) シフト希望出さず欠勤、就労意思なく退職扱い 賃金バックペイ一部命じる
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  • 賃金
  • 賃金請求権

 シフトの希望日を出さず欠勤し続けたため、退職扱いとされた従業員から地位確認等を求められた事案。就労の意思を欠くとして請求を退けた一審に対し東京高裁は、合意退職の成立を否定したうえで、会社は団交で復職の意思を認識しながらアルバイトを採用していて就労可能だったとして、不就労を使用者の責に帰すべき事由と判断。コロナ禍を勘案して賃金を算出した。……[続きを読む]

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