グッドパートナーズ事件(東京地判令4・6・22) 更新確定メール送ったが問題行動ありと雇止め 2カ月更新の取消し認めず

2023.04.27 【判決日:2022.06.22】
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 介護福祉士である派遣労働者が、2カ月で雇止めされ地位確認等を求めた。会社は更新確定のメールを送信したが、その後業務の報告相談を怠ったとして取り消した。東京地裁は、更新に強い期待が認められ、雇止めする合理的理由もないと判断。会社は言動を注意指導せず更新しない事情と捉えていたとはいえない。長期の契約は予定されず2度目以降の更新は認めなかった。

合理的期待有する注意指導なかった

筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議)

事案の概要

 会社は、主に介護の仕事を紹介する人材派遣会社である。甲は、会社との間で、契約期間を平成31年2月3日~3月31日、契約更新について「更新する場合があり得る」との前提で有期雇用契約(本件契約)を締結し、有料老人ホームに派遣されていた夜勤専従の介護福祉士である。

 職員Aは、2月21日、甲に対し、「ご契約更新の期間が確定しましたので、ご報告させて頂きます」、「ご契約更新期間:2019年5月末日まで※2カ月の更新が確定しました!」、「個別契約書につきましては、順次発送させて頂きます」との内容の電子メール(本件メール)を送信した。

 甲は、2月25日の勤務時間終了後、本件施設の副施設長に対し、21日に施設職員による利用者への虐待行為があったとして、その旨報告し、行政機関にも同内容の通報を行うとともに会社に報告した(しかし、利用者への虐待の事実は確認されなかった)。

 会社は、3月6日、甲に対し、上記契約更新を取り消し、同月31日をもって、契約期間満了により本件契約が終了したものと扱い、4月以降の契約の更新をしなかった。

 甲は、雇止めは無効であると主張して、会社に対し労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、4月分から令和3年12月分までの未払賃金等の支払いを求めたものである。

判決のポイント

(1)更新に対する合理的期待の有無とその期間

 本件メールは、…

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令和5年5月1日第3399号14面 掲載

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