労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1995年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2021.10.28 【判決日:2021.03.26】
ヴィディヤコーヒー事件(大阪地判令3・3・26) 事業譲渡後も同じ店で勤務、労働条件引継ぐ? 退職金債務負うのは転籍元
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  • 労働契約
  • 承継
  • 賃金
  • 退職金

 事業譲渡後も同じコーヒーショップで勤務していた店長が、転籍先へ退職金を請求した事案。「退職金制度あり」の譲渡会社から、「同制度なし」の譲受会社へ転籍した。大阪地裁は、会社間の事業譲渡契約において、転籍元で発生した退職金債務を転籍先が引き受ける合意は認められないと判断。転籍先への支払い請求を斥けた。転籍元の役員は店長に対し、退職金は支払う……[続きを読む]

2021.10.21 【判決日:2021.02.10】
みずほ証券事件(東京地判令3・2・10) 海外留学終了後に退職、費用3000万円返還求める 5年勤務で免除の契約有効
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  • 労働契約
  • 賠償予定

 海外留学制度を利用して帰国後、約半年で退職した元従業員に対し、会社が誓約書に基づき約3000万円の返還を求めた。東京地裁は、留学は業務と直接関連せず役立つ性質のものでもないと判断。勤務以外でも通用する有益な経験・資格等であり個人の利益になる部分が相当大きいとした。返還が免除される5年間の勤続も不当に長いとはいえず、法が禁じる賠償予定には……[続きを読む]

2021.10.14 【判決日:2021.02.26】
ダイレックス事件(長崎地判令3・2・26) 月200時間で1カ月変形、割増30時間のみ? 週40時間平均超え制度無効
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  • 割増賃金
  • 労働時間
  • 変形労働時間
  • 賃金

 1カ月単位の変形労働時間制を導入し、残業30時間を加えた勤務割を組んでいたところ、従業員が未払割増賃金を求めた。長崎地裁は、週40時間平均の条件を満たさず制度を無効とした。残業を月30時間以内にするよう指示し、退社時刻等も修正していた。その他、親会社主催のセミナーの参加時間は、指揮命令下にあるとした。既払額との差額と付加金の支払いを命じ……[続きを読む]

2021.10.07 【判決日:2020.10.29】
東神金商事件(大阪地判令2・10・29) 退職金廃止して精算したのに支払い求められた 就業規則変更の同意認めず
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  • 就業規則の不利益変更
  • 退職金

 元従業員が退職金の支払いを求めた事案。会社は十数年前に制度を廃止して、積み立てていた保険の返戻金を支払っていた。大阪地裁は、返戻金を異議を述べず受領しても就業規則の不利益変更に同意したとはいえないと判断。廃止の理由は、自社ビル購入で負債が膨らんだためで、同意する客観的合理的理由は認められず、経営状況等の説明もないなど改定後の内容は合理性……[続きを読む]

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