労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2022.08.25 【判決日:2020.08.20】
国・中労委(アート警備)事件(東京高判令2・8・20) 団交開催に3つの条件、組合合意せず交渉拒否 録音禁じる正当な理由なし ★
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  • 労働組合

 団交の開催に当たり録音禁止などの3条件を求めた会社が、合意に至らず交渉を拒み続けたために不当労働行為とされ、救済命令取消しを求めた行政訴訟の控訴審。東京高裁も、団交拒否には正当な理由はないとした。交渉内容の正確な記録は労使双方に必要性があり、企業秘密は一時的な録音停止で対応可能等としている。一切の口外禁止を課すことも労働組合の利益を害す……[続きを読む]

2022.08.12 【判決日:2021.12.21】
日立製作所(退職勧奨)事件(東京地判令3・12・21)社外転身促す研修受講命じられ損害賠償求める 再度の退職勧奨違法性なし
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  • 退職
  • 退職勧奨

抗議を受けて中止 降格は関連性否定 筆者:弁護士 渡部 邦昭(経営法曹会議) 事案の概要  労働者甲は、平成7年4月に会社と期間の定めのない労働契約を締結し、20年4月には主任技師(課長相当職)に昇格した。その後、甲は、26年5月から休職し、29年1月に復職した。甲は、復職後および平成29年度の初めごろにそれぞれ個人目標の売上げを設定した……[続きを読む]

2022.08.04 【判決日:2021.09.29】
エスツー事件(東京地判令3・9・29) 配属部署が存続不能で新卒留学生の入社困難に 拙速な内定取消しを認めず
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  • 労働契約
  • 採用内定

 採用内定を取り消された留学生が損害賠償を求めた。会社は、配属先の責任者が退職したため事業が存続不可能などと主張した。東京地裁は、勤務場所や職種の限定もなく、内定取消しを回避すべくあらゆる手段を検討すべきと判断。財務状況の悪化は認められるが、責任者の退職から2週間後の取消しを拙速とした。試用期間を超えて働く蓋然性を認め、半年を限度に損害金……[続きを読む]

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