労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2021.05.27 【判決日:2020.07.21】
学校法人奈良学園事件(奈良地判令2・7・21) 学部廃止で解雇や雇止めされた教員が地位確認 職種限定も整理解雇は無効
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  • 整理解雇
  • 解雇

 大学の学部廃止に伴い解雇、雇止めされた教授や専任講師らが地位確認を求めた。奈良地裁は、職種限定で雇用されたとしても整理解雇法理の適用は排除されないと判断。異動は不可能といえず、総人件費引下げの努力もなく解雇回避努力を尽くしたとは認めなかった。経営破たんなど逼迫した財政状態にはなく、労組と協議が尽くされたともいえないなど4要素を欠くとした……[続きを読む]

2021.05.20 【判決日:2021.02.25】
退職金等請求事件(最一小判令3・3・25) 企業年金の死亡退職金受給できるのは夫か子か 配偶者は“事実上離婚状態” ★
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  • 賃金
  • 退職金

 中小企業退職金共済など企業年金の加入者が亡くなり、子が死亡退職金の支給を求めた。法で定める最先順位の配偶者(夫)の受給権について、最高裁は、遺族となる配偶者とは、互いに協力して社会通念上夫婦としての共同生活を営んでいた者を指すと判断。事実上の離婚状態にある夫は配偶者に該当しないとした。受給順位を定めた主な目的は、遺族の生活保障と解してい……[続きを読む]

2021.05.13 【判決日:2020.11.13】
マツヤデンキ事件(大阪高判令2・11・13) PTSD発症し労災、暴行原因と賠償命じた一審は “安全配慮義務違反”を否定
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  • 労働契約上の権利義務
  • 労災
  • 安全配慮義務

 上司や同僚の暴力でPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症したとして、会社らに損害賠償を求めた。入社後最低ランクの人事評価が続き、上司らの注意指導が許容範囲を超えることも会社は認識し得たとした一審に対し、二審は偶発的に暴行に発展し予見できないと判断。安全配慮義務違反を否定した。業務上発症したとの主治医意見書は、上司らの意見を聴取せず作成……[続きを読む]

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