労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 2000年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2020.01.30 【判決日:2019.07.08】
井関松山製造所事件(高松高判令元・7・8) 無期転換後も手当なし、正社員と比べ不合理か 労働条件変わらず格差違法
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  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金

 家族手当などを支給しないのは不合理とした判決後、有期契約から無期転換した従業員が地位確認等を求めた。高裁も損害賠償責任が生じ得るにとどまると判断したほか、無期転換者の就業規則の制定前に労組と交渉した証拠はないなど、規則制定のみで賠償の支払い義務を負わないとはいえないとした。各手当がないのは違法だが、賞与に代えて「寸志」とする経営判断の合……[続きを読む]

2020.01.23 【判決日:2019.05.30】
中央学院事件(東京地判令元5・30) 非常勤講師が手当や賞与なし不合理と賠償請求 「基本給3分の1」も認める
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金

 非常勤講師が、専任教員との基本給に約3倍の差があり、家族手当や賞与などもないのは不合理と損害賠償を求めた。東京地裁は、職務内容や責任に相違があるうえ、他校の賃金水準より低いといえず団交で待遇は改善されていたと評価。幅広い業務に応じた責任を負う専任教員にふさわしい有為な人材を確保する必要性があり、家族手当などを手厚くすることも合理性がない……[続きを読む]

2020.01.16 【判決日:2019.06.14】
宇和島労基署長事件(福岡地判令元・6・14) 営業マンの残業月70時間、心不全発症し労災は “過労死基準”下回るが認定
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  • 労災
  • 業務上・外認定

 魚の薬を販売する営業マンが、心不全で死亡し、遺族が労災不支給処分の取消しを求めた。残業は各月70時間など過労死の認定基準を下回っていた。福岡地裁は、長時間労働の継続に加え、死亡直前には多くの営業成績を上げている取引先の社長の要求に応えて、海に転落する危険性がある作業をするなど肉体的疲労かつ精神的緊張が大きかったことを考慮して請求を認めた……[続きを読む]

2020.01.09 【判決日:2019.02.08】
恩賜財団母子愛育会事件(東京地判平31・2・8) 割増賃金求める医師に病院が「管理職手当返せ」 不当利得返還請求を命じる
ジャンル:
  • 割増賃金
  • 労働時間
  • 管理監督者性
  • 賃金

 医長である医師が残業代を請求したところ、逆に病院から管理職手当の返還を求められた。医師には、時間外見合いの医師手当も支給されていた。労基署から残業代に関して是正勧告を受けるなど管理監督者でないことに争いはなかった。東京地裁は、内規に時間外労働等の対価と規定された医師手当を固定残業代と認めた一方、医長に管理職手当の受給権限はないとして不当……[続きを読む]

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