労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2022.12.15 【判決日:2022.03.09】
ビジネスパートナー事件(東京地判令4・3・9) 地域限定職へ変更手続きせず基本給一部返金!? 転勤拒み12万円支払い命令
ジャンル:
  • 支払い5原則
  • 賃金
  • 配転・出向

 両親の世話を理由に転勤拒否した総合職の従業員に対し、会社が地域限定職の基本給との差額を返還するよう求めた。転勤を拒んだ場合、職群を変更して月2万円を半年分返すと規定していた。東京地裁は、賃金全額払の趣旨に照らし、労働者に過度の負担は生じず返還規定を有効と判断。転勤の可否を正確に申告すれば返還を免れることができるなどとして規定は合理的とし……[続きを読む]

2022.12.08 【判決日:2022.02.25】
システムメンテナンス事件(札幌高判令4・2・25) 夜間当番の呼出待機、行動自由で残業代なし? 事務所滞留中は指揮命令下
ジャンル:
  • 労働時間
  • 手待時間

 駐車場のメンテナンスで夜間当番の待機時間が、労働時間に当たるか争った事案の控訴審。事務所にいない時間の行動は基本的に制約がなかった。指揮命令下にないとした一審に対して札幌高裁は、終業後に事務所内にいた時間に関して、速やかに現場へ向かえるよう待機していることを会社は容認し、指揮命令下と判断。事務所にいない時間は、入電の確率も考慮して労働時……[続きを読む]

2022.12.01 【判決日:2022.01.27】
学校法人茶屋四郎次郎記念学園事件(東京地判令4・1・27) 無期転換権行使した大学講師を期間満了雇止め 通算10年に満たず権利なし
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 有期契約の更新を繰り返して6年目に無期転換権を行使した大学講師が、期間満了で雇止めされたため地位確認を求めた。東京地裁は、無期転換権の行使に必要な5年の期間を10年に読み替える教員任期法の適用があると判示。無期転換は否定したが、職務は恒常的で、厳格さを欠く形で更新が繰り返されるなど更新には合理的期待が認められ、非違行為を理由とした雇止め……[続きを読む]

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