労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 1992年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。タイトル末尾に「★」マークがあるものは、判決文のリンクを掲載しています。

2020.12.10 【判決日:2020.02.19】
山口県立病院機構事件(山口地判令2・2・19) 就業規則に「契約5年まで」さかのぼって通算は 更新上限1年で雇止め不可
ジャンル:
  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 契約更新する期間は「就業規則の範囲内」で「原則5年以内」と契約書に記載して、翌年に雇止めした事案。平成25年にさかのぼって通算5年までとした就業規則の内容は契約更新後に説明された。山口地裁は、以前から生じていた更新の合理的期待が消滅したと解することはできず雇止め無効とした。面接試験に受かれば更新するとしていたが、評価は合理性を欠くとして……[続きを読む]

2020.12.03 【判決日:2020.10.15】
日本郵便(東京・大阪・佐賀)事件(最一小判令2・10・15) 契約社員に諸手当や休暇なし、最高裁の判断は 継続勤務見込まれ扶養手当 ★
ジャンル:
  • 労基法の基本原則
  • 同一労働同一賃金

 契約社員が、正社員との待遇の格差は不合理であり旧労働契約法20条に反するとして損害賠償を求めた3件の上告審。最高裁は、諸手当の性質や支給目的を踏まえ不合理性を判断した。扶養手当を支給する目的には長期勤続への期待があり、継続勤務が見込まれる契約社員も条件は合致するとした。病気休暇は、日数の相違を設けることはともかく、無給とすることは不合理……[続きを読む]

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