労働判例

 経営法曹会議に所属する気鋭の弁護士が、職場に役立つ最新労働判例を分かりやすく解説。事件の事実関係、判決のポイント、会社側が留意すべき事項を指摘し、労使トラブルへの対応や人事労務管理への応用を紹介します。

 2000年からの記事を掲載しており、ジャンルやキーワードによる検索も可能です。

2020.10.29 【判決日:2019.08.02】
北海道・道労委事件(札幌高判令元・8・2) 完全歩合制拒んだ組合員に時間外させず違法か 残業制限は不当といえない
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  • 労働組合

完全歩合給への変更に同意せず残業が認められなくなったとして、タクシー会社の組合員が不当労働行為と訴えた事案の控訴審。救済申立てを棄却した道労委の判断を一審は支持していた。札幌高裁も、組合員であるか否かは関係なく残業等を禁止したものであることから不当労働行為を否定。団交を18回行うなど、会社は経営状況から制度変更の必要性があることを説明して……[続きを読む]

2020.10.22 【判決日:2019.12.19】
北海道二十一世紀総合研究所ほか事件(札幌高判令元・12・19) うつ病は労災、配慮怠ったと賠償命じた一審は 長時間労働のみで予見困難
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  • 労災
  • 安全配慮義務

 月100時間超の残業などでうつ病を発症したとして労災認定された研究員が、会社に損害賠償を求めた事案の控訴審。請求を認めた一審に対して札幌高裁は、業務の質や量は過大といえず裁量性もあること、業務が困難と上司らへ申告相談がなかったことも踏まえ、長時間労働のみをもって発症を予見できないと判断。担当は調査業務のみで業務量を減らすのも困難としてい……[続きを読む]

2020.10.15 【判決日:2020.06.10】
グリーントラストうつのみや事件(宇都宮地判令2・6・10) 財源悪化し更新5年まで、無期転換目前で終了 人員整理的な雇止め無効に
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  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 緑地の保全活動を行う公益財団法人の非常勤嘱託職員が、契約更新の上限5年に達し、平成30年3月末に雇止めされた事案。市は財源悪化を理由に人員整理するよう指導していた。裁判所は、整理解雇の法理が妥当するとしたうえで、解雇回避努力や対象者の選定を検討した形跡がまったく認められず雇止め無効とした。雇止め後に申し込んでいた無期転換を認めている。……[続きを読む]

2020.10.08 【判決日:2020.03.11】
ザ ニドム事件(札幌地裁苫小牧支判令2・3・11) 割増賃金含めて日当1万円は無効と未払分請求 日給制の固定残業代認める
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  • 割増賃金
  • 賃金

 固定残業代込みで日当1万円の条件に合意していないとして、ドライバーが未払いの割増賃金があると争った。裁判所は、採用面接時にその旨説明したうえで契約書でも割増分を分けて記載し、署名押印があることから固定残業代の合意を有効と判断。基本給は最低賃金ラインだった。退職時に割増賃金は支給済みとの書面を提出したが、請求権を放棄したとは認めなかった。……[続きを読む]

2020.10.01 【判決日:2020.03.17】
博報堂事件(福岡地判令2・3・17) 更新5年ルール設け雇止め、約30年勤務したが 雇用の期待大きく減殺せず
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  • 更新拒否(雇止め)
  • 解雇

 約30年間勤務したが、「最長5年ルール」の導入により雇止めされたため地位確認を求めた。5年としつつ例外も設けていた。福岡地裁は、同ルールにより契約更新の高い期待は大きく減殺されないと判断。契約書に署名押印はあるが終了に合意したとはいえない。人件費削減を理由に雇止めは認められず、業務上の問題点を指摘するが適切な指導を行ったともいえないなど……[続きを読む]

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